孫崎大樹インタビュー『練習積んで、自信を持って、攻められる気持ちで』


(2020/8/23 群馬交流戦 22位)

TEAM BRIDGESTONE Cycling、ロードレースの次戦は10月3日、4日に大分市で行われる『Jプロツアー/OITAサイクルフェス!!!2020』の2連戦です。

孫崎大樹は、2020シーズンこれまでにロードチームが参戦した8戦のうち、初戦・宇都宮クリテリウムにて3位、次に6戦目の西日本ロードクラシックDay2での5位と、成績を担うエースを多く務めています。また先日の第8戦、広島森林公園ロードレースDay2では、2位に入った今村駿介をアシストしながら自身も4位でフィニッシュしました。

一昨年までは早稲田大学自転車競技部の主将を務め、プロとしてブリヂストン入りしての2年目。孫崎に話を聞きました。 (photo: S.Kato, K.Takizawa)



(2020/8/8 宇都宮クリテリウム 3位)

ーーここまでのレース8戦、総合的に点をつけると

60点ぐらいでしょうか。去年はもっと自分から動くこともできたし、動きながらも安定した成績を出せていました。今年は成績を狙って自ら動くことができていませんが、少しずつ良くはなっているので、50点ではない。悪い方向ではなく、良くなってきていることを踏まえて60点です。このあとは、もっと良い走りができると思ってますから。

ーー宇都宮でのクリテリウム(8月8日)での3位をどう感じるか

>>『チーム9ヶ月ぶりのロードレース、孫崎が3位に【JBCF宇都宮クリテリウム】』

もともとはその前の群馬でのレースに出るつもりで調整していましたが、出走がなくなって精神的にも「レースはないのかな」という複雑な心境でした。

宇都宮のレースも自信を持って挑めていたわけではないのですが、距離の短いクリテリウムだったので位置取りなどで勝負できると思い、前方に位置取って、最後は沢田、今村に託そうと思っていました。

結果的に最後は自分がもがくことになって、いい位置にいたにも関わらずその順位だったので、成績ほどには納得してないというか、たまたま取れた成績という認識です。



(2020/8/30 西日本ロードクラシック 広島大会 Day2 5位)

ーーその後のレースでは不本意が続いた感じもあった

ロードレースはごまかしが効かず、またコース的にも振り落とされるようなものが多かったので、今の実力がそのまま出たかなという感じです。

ーー8月30日には広島でのロードレース、5位だったがいい走りができた

>>『レースのほとんどを逃げ切った孫崎、最終局面にて5位に【西日本ロードクラシック 広島大会 Day2】 』

宇都宮が今季初めてのレースで、走れないことがすごく悔しくて、自分にも腹立たしさがありました。短い期間の準備では足りないことを再認識して、そのうえで準備して挑んだ広島は、調子も上がってきていたので、準備したものを全て出せて良かったなと。


(2020/8/29 西日本ロードクラシック 広島大会 Day1 53位)

ーープロ2年目でエースを担うことが増えた

エースかどうかというより、今は自分の走りができないことがやっぱり悔しくて、満足できていません。

今はひとりの選手としてしっかり走りたいです。自分ができることをしっかりやることで、成績がついてくると思うので。そのなかで、エースだったらエースとして、成績を求めていきたいです。

もっと自分からアクションを起こしてレースをかき乱して、そのうえで勝つのが理想です。理想の走りをするために、より自分が強くなるのは大前提で、気持ち的にも自信を持たないと、理想の走りはできないかなって思います。

自信がないと中途半端な動きになってしまう。練習を積んで、しっかり自信を持って、攻める気持ちでい続けたいです。


(2020/8/23 群馬交流戦 Day2 孫崎22位、今村40位)

ーー去年と今年と気持ちはどう変化している?

去年はプロ1年目というのもあって、その瞬間瞬間に必死になっていました。今年は自分のキャリアの先もしっかりと考えるようになったし、環境を見直したり、いろんなことを考えています。

悩みもありますが、やっぱりスポーツ選手とはそのスポーツが好きだからやっているので、好きなことを職業にできる事はすごい喜びだな、というのを今シーズンは改めて感じました。レースは苦しいし大変ですし、それに向けて辛い練習もしなきゃいけないんですが、やはりそれをするだけの価値のあるものであると改めて認識できました。



(2020/8/9 宇都宮ロードレース 18位)

ーー今スポーツ選手ができること、について思うところを

一流と呼ばれるとこまで極めた選手たちの競技に打ち込む姿は、そこにしかない魅力や感動、美しさなど、いろいろと見て感じてもらえることがあると思います。言葉では伝えられないことをどう伝えていくか、どう発信して見てもらうのかというのを考える必要があるなと。

プレーヤーとしてそのスポーツを極める、真剣にやるからこそ得られるものというのはあると思います。



(2020/8/30 西日本ロードクラシック 広島大会 Day-2 5位

ーー次のレースは、大分での二連戦になる

>>10月3日、4日 OITAサイクルフェス!!!2020 https://www.oita-cyclefes.com/to_cycle_road_race_fans.html

最近はレース強度での反復がなかなかできなくなっているので、高強度の繰り返しになるようなレース展開にも対応できるトレーニングを積んでいきたいと思います。

ーーレースと練習の違いは?

走りの強度ですね。レースでの強度は、練習の中ではなかなか出せるものではないです。レースは100人以上の選手と一気に走るので、1人で練習するより強度が出やすい。もちろん落ち着く場面もあるんですが、高い強度を出す場面が普段の練習より長くあるので、それぐらいは練習で出せていないとすぐに対応できない。

そういうレースでしか得られない強度を、できるだけ練習で出していかないとレースには対応できません。そこがレースと練習との違いかなと感じています。


(2020/8/30 西日本クラシック Day2 孫崎5位)

ーー改めて、ロードレースの魅力は?

いろいろ感情が生まれて、そのうえで、日常では味わえないことが詰め込まれているのがロードレースです。肉体的に辛いことも含めて多分楽しいので、それを味わないと、わからないところもあると思います。

ロードレースの魅力というのはやはり、やってみないとわからない感覚、これに尽きますね。

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