【ツール・ド・熊野】STAGE 3 美しくも厳しいコースで忍耐の走り

2025年5月8日から4日間にかけてツール・ド・熊野2025が開催。
第3ステージ、熊野山岳コースは総距離107.7kmの戦いとなる。
この日はスタート早々から個人総合時間賞争いが勃発。
チームブリヂストンサイクリングは序盤に前線を離れるが、完走を目指して奮闘。
結果的に4名が最終ステージへの参加権を獲得した。

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ツール・ド・熊野 STAGE3
日程: 5月10日(土)
開催場所: 三重県熊野市 熊野山岳コース
コース長:107.7km=パレード:1.4km  レース:18.5km+17.2km×4+20.4km
出場選手: 河野翔輝、山本哲央、岡本勝哉、矢萩悠也、梅澤幹太
リザルト:https://www.tourdekumano.jp/wp/wp-content/uploads/2025/05/Kumano-C08.pdf

タフなコースにタフな展開 雨中のサバイバルレースに挑む

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第3ステージは険しい山岳が待ち受け、チームブリヂストンサイクリングにとっては試練のコース。
山岳ポイントである「千枚田」を4度登り、獲得標高は2000mを超えるほか、例年個人総合時間賞争いが激化するステージであり、高速でレースが進行する。
また、国内でも指折りで難しい下り区間を備えており、卓越したバイクコントロールも必要。加えて当日はウェットコンディションの影響もあり、ナーバスな要素が上乗せされる。
険しい道のりであるが、粘り強さとチームワークで過酷なコースを乗り越えて、翌日のステージに繋げたい。

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当日は朝からどんよりした天気で晴れ間が見えない。時折ふる雨の影響が気掛かりであるが、雨を弾くレインオイルを塗り込むなど、できる準備を施してスタートラインへ立った。

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レースは予想通り速い展開で進行。本格的な登りを前にペースアップが続く。
山本もこの動きに反応する場面があり、状態がいい様子。

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程なくして集団コントロールを担うチームが現れると、速いペースを維持し続けた。
集団は1回目の千枚田に差し掛かかるとさらに強度を上げて登坂を開始。
するとたまらず集団は縮小し、一気に30名ほどの規模となった。
チームブリヂストンサイクリングもこの動きには乗ずることはできず、各自ペースでの走行に切り替える。状態の良かった山本も登り直前で起きた落車の影響で足止めをくらい、後方からの登坂に。
チーム内では最後まで集団で堪えた梅澤が第3グループでこの登坂をクリアした。

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「完走」を目指したもう一つの戦い

1回目の登坂で先頭に残ったものだけが勝負できたこの日。
早々に優勝争いを見送ったが、ここからがチームにとって勝負所となる。是が非でも完走を果たして明日のレースへの参加権を得たいところ。
続く2回目、3回目の千枚田も各自遅れた集団でこなし、フィニッシュへの距離を縮める。
梅澤、やや遅れて山本、岡本、矢萩が完走圏内の位置で4度目の千枚田を登り切ると、ようやくその可能性が出てきた。

周回区間を終えてフィニッシュまでのルートに入ってもペースを落とさず走行。
またその頃、レース先頭では本日の勝者が決まっていた。トップ選手から大きく遅れるとタイムアウトとなり、フィニッシュが認められないステージレース。
なんとか明日のステージを戦うべく、選手たちは先を急いだ。
各自懸命な走りが実り、梅澤、山本、岡本、矢萩の4名が無事にフィニッシュへ到達。
序盤で遅れた河野は悔しくもリタイアとなった。

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リザルト 107.7km=パレード:1.4km レース:18.5km+17.2km×4+20.4km

1位 スチュワート・マーク(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)  2:46:29
2位 ブレグノイ・マティアス(トレンガヌサイクリングチーム) +00:00

39 梅澤幹太 +09:21
48 矢萩悠也 +11:38
52 山本哲央 +11:38
57 岡本勝哉 +11:42
DNF 河野翔輝

個人総合成績(第3ステージ終了時)

1 スチュワート・マーク (ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) 8h38m12s
2 ブレグノイ・マティアス(トレンガヌサイクリングチーム)+00:04

34 梅澤幹太 +09:31
43 山本哲央 +11:48
48 岡本勝哉 +12:13
72 矢萩悠也 +19:30

残すところ最終ステージのみとなったツール・ド・熊野。
最後のチャンスをものにすべく、綿密なミーティングを経て翌日の大一番に備える。

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選手コメント

梅澤幹太

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「新人賞獲得の可能性があったので、いい順位でレースを終えられるよう心がけていました。(梅澤は第2ステージ終了時点で新人賞5位)
結果的に上位で帰ってくることはできませんでしたが、走っている最中も一緒にフィニッシュを目指した選手から学ぶことがあり、いい刺激を受けました。
まだまだ登りの力など足りない部分もあるので、強化していけば余裕を持って走れるのかなと思っています。
疲労感はありますが、明日も全力で頑張ります」


Text :Ryo Kodama
Photo :Satoru Kato , Ryo Kodama , チームブリヂストンサイクリング

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