【MTB2019全日本選手権】平野は転倒にて無念の2位、沢田は4位に


(平野)


レース名:第32回全日本マウンテンバイク選手権大会
開催日:2019年7月21日(日)
開催地:秋田県仙北市 田沢湖スキー場
TEAM BRIDGESTONE Cycling 参加選手:沢田時、平野星矢

7月21日、秋田県・田沢湖スキー場にて行われたマウンテンバイク全日本選手権にて、TEAM BRIDGESTONE Cyclingの平野星矢が2位となりました。先頭を走行中に喫した転倒により、優勝を逃した形となりました。また沢田時は4位の結果となりました。

photo: Hiroyuki NAKAGAWA



2019年、マウンテンバイクの全日本選手権が行われた秋田県の田沢湖スキー場は、10年以上前にJシリーズ(現CJシリーズ)会場として人気のあったコースでした。しばらくの間、ここでのCJシリーズは開催されませんでしたが今年、コース設定を大幅に変更しての全日本選開催となりました。

コースは現代コースの主流であるスピード感に溢れたもの。4kmほどのコースは大まかに、草地の多い登りでは踏み込みのパワーとスピードを要し、細かくコーナーを刻むシングルトラックの下りでは走りの流れを滞らせない高い走行技術が必要とされました。



(平野)


レーススタートは午後2時30分。最も暑い時間帯に始まったレースは、1周目の幅広いスピードセクションからすでに、優勝を狙える選手たちとそれに及ばない選手たちとの差を開きました。まず先導したのは平野を含む4選手。その後に沢田が50秒ほど遅れて続きます。

前半のレーススピードは周回を重ねるごとに上がり、中盤には先頭の巡航スピードについていけなくなった選手たちが後方に下がります。その結果先頭周辺にいるのは、トップを争う平野と山本幸平選手(Dream Seeker Racing Team)、その後に20秒ほどの差で3位を争う沢田と前田公平選手(弱虫ペダルサイクリングチーム)。



(沢田)


4周目に、走行していた多くの選手が80%ルールにてタイムアウトに。走り込まれ速度を上げるコースコンディションは、平野と山本選手のペースをさらに上げていきます。ここで平野が山本選手を先行、最速の周回タイムをマークし、さらにペースを上げていきました。

「今日に向けコンディションをうまく合わせられました。(山本選手の)後ろについているときも1度転んだんですが、そこからまた追いついて前に出られましたから」(平野)



(左:平野)


ところがこの上がり切ったペースの中、平野と山本選手によるつばぜり合いのようなデットヒート中に、平野は痛恨のミス。段差の大きなドロップオフからの着地時に、その速度のせいか左ビンディングペダルが外れてサドルで胸を強打。呼吸もおぼつかない状況で大きく失速してしまいます。その平野を、山本選手は抜いて前へ。

しかし自覚できるほどコンディションが良かった平野は、気を取り直して踏み直し、先行へと肉薄していきます。しかし先の転倒で走りのリズムを欠いたか、追いつく前に再び転倒を喫します。



(沢田)


一方、彼らの後方では、沢田と前田選手が2周回に渡り、熾烈な3位争いを繰り広げていました。

「今日は暑さもあったので常にイーブンペースを刻むことを意識してレースに臨みました」とする沢田、着実なペースで前田選手を離そうとしましたが、前田に抜かれ、離されてしまいます。1周回を残した後半の登りで沢田は先行する前田選手に一度は追いつきましたが、再び離されます。「そこからのもうひと踏みができなかったです」(沢田)



(沢田)


この5周目での展開が、そのままゴールへと運ばれました。先行した山本選手は11度目の全日本タイトルを手に、平野は40秒遅れでの2位となりました。そして沢田は前田選手に追いつけず4位に。表彰台を逃す結果となりました。

平野は走りのペースとスピードでは誰よりも速く見え、周回タイムでもそれを証明しましたが、それを順位では示せずの2位でした。

「体力的にはもう少し出せましたが、今日は全体の展開がうまくいきませんでした。マウンテンバイクでは、この展開がなによりも大事ですから」(平野)



年に一度行われる全日本選手権。全日本チャンピオンの称号を得られる唯一の大会で、ブリヂストン選手たちはその栄冠を逃しました。しかし選手たちの視線はすでに、次週にレバノン共和国で行われるアジア選手権に向いています。

「コンディションは間違いなく上がっているので、これで普通に休めば、また多分体もバッチリ合うと思います」(平野)

「勝ちに行ってきます」(沢田)

ブリヂストンMTB選手たちのアジア選手権での活躍に、ぜひご期待ください。



(平野)


【リザルト】2019 マウンテンバイク全日本選手権

1 山本幸平(Dream Seeker Racing Team) 1:24:18
2 平野星矢(TEAM BRIDGESTONE Cycling) +0:41
3 前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)+2:08
4 沢田時(TEAM BRIDGESTONE Cycling) +2:23

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