【東京2020オリンピック自転車競技トラック 8/6-8 詳報】あと一歩届かなかった決勝の舞台

東京2020オリンピックの自転車競技トラックの後半戦、8月6日(金)から8日(日)にかけて行われた、女子スプリントと女子マディソン、そして脇本選手が出場した男子ケイリンのレース詳報をお届けします。

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粘り強く戦い抜いた
小林選手の女子スプリント

8月6日(金)より行われた女子スプリントに出場した小林優香選手(ブリヂストン機材サポート)。予選の「フライングスタートの200mタイムトライアル」では、前半100mを5秒315で通過し、後半も減速することなく10秒711(67.221km/h)のタイムで、自身のもつ日本記録を更新。全体17位で「1/32決勝」に進出しました。

同日の「1/32決勝」では、イギリスのケイティ・マーシャン選手との対戦。先行しつつ左右に揺さぶりをかけてマーシャン選手の動きをチェックする小林選手でしたが、最終周回に差し掛かったところでケイティ選手が後方から一気に加速。残り半周で先行を許すと、そこからふたたび追い上げることはできず、0.612秒差で敗退。敗者復活戦に進むことになりました。

「1/32敗者復活戦」では、リトアニアのシモナ・クルペクカイテ選手と同じくリトアニアのミグレ・マロザイテ選手との3人の対戦。対戦2人が同国選手という難しい状況でしたが、2番手でスタートした小林選手は、後方のマロザイテ選手をチェックしながら、先行するクルペクカイテ選手との車間を十分にとり、加速するタイミングを伺います。ラスト1周、得意の距離から加速した小林選手が、2人を突き放し、見事に勝利。敗者復活で「1/16決勝」への進出を果たしました。

敗者復活戦から約1時間後に行われた「1/16決勝」。対戦相手は、フランスのマチルド・グロ選手。インからスタートした小林選手は、後方のグロ選手を確認しながら、序盤から比較的速いペースで周回を重ねます。そのまま先頭を譲らずにラスト1周に。鋭く加速したのは、後方で力をためていたグロ選手。残り150mで並ばれ、先行を許すと、小林選手は追いつくことができずに、ふたたび「敗者復活戦」にまわることに。

「1/16決勝敗者復活戦」の相手はROC(ロシア・オリンピック委員会)のアナスタシア・ボイノワ選手。「1/16決勝」と同じく前方で積極的にレースをする戦術で挑んだ小林選手でしたが、連戦での疲れも見えたか、ボイノワ選手のスピードに対応することができずに、ここで敗退。最終成績TOP16で小林選手のオリンピックは幕を閉じました。


小林選手は自身のSNSで、
「この5年という時間が"あっという間"で終わることになってすごく残念です。結果が出せず申し訳ない気持ちです。それえでも毎日たくさんの声援があって母国開催は特別だと感じました!沢山の方に支えられて立てた舞台、感謝の想いでいっぱいです。私を最後まで信じてくれた2人のコーチ、最高のサポートをしてくれたチームジャパンの方々、たくさんの応援をしてくれた方々、一緒に戦ってくれた選手、そして母、ありがとうございました!」
とレース後の心境を語っています。


【最終結果】
女子スプリント/小林優香 1/16決勝敗者復活戦 敗退

世界のレベルを痛感した
梶原選手の女子マディソン

オリンピック初採用となった女子マディソン。日本からは梶原悠未選手(ブリヂストン機材サポート)と中村妃智選手ペアが出場しました。

強豪チームが序盤から積極的に動き、高速でレースが展開。1周15秒台で周回を重ねます。ポイント周回で、ポイントの獲得を狙いたい日本チームですが、なかなか前に出てポイント争いに絡むことができません。アタックが散発し、集団の分裂と合流が繰り返されるなかで、ズルズルと後退してしまった日本チームはレース中盤で、周回遅れのためにレースを降されてしまいます。残念ながら13位(DNF)でレースを終えることになりました。

レースは終盤にかけても高速で展開し、最終的な平均時速は54.847km/h。次回大会に向けて、この高速域での勝負に対応できるかがポイントとなりそうです。


【最終結果】
女子マディソン/梶原悠未、中村妃智 13位(DNF)


悲願の金メダルに挑んだ
脇本選手の男子ケイリン

8月7日(土)よりスタートした、男子ケイリン。日本発祥であるこの種目での金メダル獲得は、日本の自転車競技界にとっても悲願です。たくさんの想いをのせて、脇本雄太選手(TEAM BRIDGESTONE Cycling)と新田祐大選手が出場しました。

「第1ラウンド」、脇本選手は5組目に出場。胸に手を置き、大きく息を吐く、いつものルーティンを行い、スタートの時を待ちます。
4番手からのスタートとなった
脇本選手は、いったん後方に下がりますが、残り1周の鐘の合図とともに外側からぐんぐんと加速。残り半周で先頭に並ぶと、トップスピードの違いを見せつけ、他の選手を寄せつけずに1着で「準々決勝」進出を果たしました。フィニッシュ後、客席に向けてガッツポーズを繰り返す姿に、脇本選手の気合いの入りようが見てとれました。
また、強豪がひしめく4組に出場した新田祐大選手も積極的なレースをし、1着で「準々決勝」進出を決めました。

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翌8月8日(日)、自転車競技トラックの最終日であり、東京2020オリンピック全体にとっても最後の一日。10時半すぎに行われた男子ケイリン「準々決勝」の第3組。脇本選手は、4番手からのスタート。6人中に4人が「準決勝」に進出できますが、負けたら終わりの一発勝負。
残念ながら1組で新田選手が敗退してしまい、日本の期待は脇本選手に注がれ、会場をヒリヒリとした緊張感が包みます。
先行を信条とする脇本選手は、3番手選手との車間をあけて残り2.5周から加速していきます。残り1.5周で先頭に出ると、そこから粘りの走りを見せて先頭をキープ。世界が警戒する先行力を見せつけて、「準決勝」に進みました。

男子ケイリン「準決勝」は6人中、上位3人が「決勝」へ、のこり3人が「7-12位決定戦」に進みます。ここまで勝ち進んだ選手は、全員が金メダルを勝ち取る実力を備えています。第2組の脇本選手は、先頭位置で走り出します。のこり3周でペーサーが退避しますが、現世界チャンピオンのラブレイセン選手(オランダ)を警戒してか、隊列を崩さずラスト2周。そこからレビ選手(ドイツ)が先頭に出る動きを見せます。脇本選手は、2番手でラスト1周へ。
のこり半周でふたたび加速して、勝負に出たいところでしたが、内側から抜きにかかったポール選手(トリニダード・トバゴ)とアワン選手(マレーシア)に挟まれる形となり、進路を失ってしまいます。脇本選手はあきらめることなく、一度外に出てなんとか活路を見出す動きをしましたが、後方から追い上げをかけるラブレイセン選手と接触しそうになり、体制を崩し失速。5着(内線突破でポール選手は失格)で、残念ながら決勝に進むことはできませんでした。

準決勝の30分後に行われた「7-12位決定戦」。東京2020オリンピックでの脇本選手のラストレースは、準決勝同様に先頭からのスタート。後方の選手が動くことなく、のこり2周も先頭で迎えた脇本選手は、そのまま加速していきます。そのスピードに他選手は誰もついていけず、一度も先頭を譲ることなく、1位でフィニッシュ。最終順位7位入賞でオリンピックでの戦いを終えました。

リオ2016オリンピックでは同種目13位だった脇本選手は、得意な先行の走りをさらに研ぎ澄まし、進化させた戦いを存分に見せつけてくれましたが、残念ながら決勝の舞台、そして金メダル獲得には届きませんでした。

レース後、脇本選手は自身のSNSで、
「どんなに自分が完璧な状態と精神状況であっても負ける時は負ける。それがオリンピックである」
と一発勝負であるオリンピックの戦いの難しさを語りました。


パリ2024オリンピックでの、日本代表チームの更なる飛躍、そして念願である金メダル獲得を期待したいと思います。
連日たくさんのご声援をありがとうございました!


【最終結果】
男子ケイリン/脇本雄太 7位

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