MTB トルコステージレースで平野、沢田ともにUCIポイントを積み上げる【Manavgat Velo Side MTB Race】

レース名:Manavgat Velo Side MTB Race
開催日:2020年3月5(木)〜8日(日)
開催地:トルコ・アランヤ
TEAM BRIDGESTONE Cycling参加選手:沢田時、平野星矢

MTBでの東京2020オリンピック代表候補選手は、2020年5月27日までに獲得したUCIポイントの合計を元に選考されます。それまでの期間は残すところ2ヶ月ほど。

日本の出場国枠は、男子ランキングを見ると、3月10日の時点で25位。7位までが2枠、21位までが1枠出場国枠を獲得できますが、日本は開催国枠として1枠を確保できています。ただし21位以上になっても、開催国枠に足されるわけではないため、実質的に出場は1選手となる見込みです。

MTB クロスカントリー・オリンピック(XCO)
オリンピック クオリフィケーション 男子

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TEAM BRIDGESTONE Cyclingの平野星矢、沢田時は現在、日本人選手としてポイント最高位を追う立場にあります。現在欧州への遠征にてトルコで、さらなるステージレースを走った平野、沢田。驚くような直前変更が続くオーガナイズへのストレスを跳ね除け、共にUCIポイントを獲得。夏の本大会出場という夢に着実に向かっています。小林MTB監督によるレポートです。


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トルコ遠征の2つ目のステージレース、Manavgat Velo Side MTB Raceが行われた。
結果、4日間総合成績で平野選手がシングルリザルトまであと90秒という僅差の14位、沢田選手は平野選手をアシストしながら最後まで粘りのある走りを見せて17位となり、共に2ステージレース連続でUCIポイントを確実に獲得した。

4日間での総距離は137㎞。総時間は5時間を超えた。エントリーも前回より大幅に増え50名程になり、メンバーも欧州各国のチャンピオンやワールドカッパーなどかなりの強豪が揃ってきた。

距離と時間だけならよくあるステージレースだが、このレースは数々の主催側のミスと選手層の厚さで、ある意味これまでで最もストレスフルでハードなステージレースとなった。コーステープがレース中に引かれたり、スタート直前にコースが変更されたり、レース中に予告なくコースがショートカットされたり、スタートループのあるなしでラップ数が混乱したり、コース内に羊飼いの住民が歩いていたり。。。



一方で、トップ10ライダーの走りはアジア選手権のレベルを遙かに超えた、ワールドカップでトップ30を伺う高いもの。加えてそれぞれの国枠と個人の東京オリンピック出場を賭けたチャレンジとなっており、モチベーションは非常に高い。

その中での成績と鑑みれば、5時間以上を走り、チーム目標のシングルリザルトまであと90秒まで迫った平野選手の走りと、それを連日全開でアシストした沢田選手の17位という成績は良い評価となる。これでトルコでのステージレースは完了し、次戦からのXCOに大いに期待できるものとなった。



【3月5日 Day1 XCT4.9㎞】

池周りのグラベルと松林、住宅地の舗装路を使った周回レイアウト。平坦路のパワーライドがタイムに大きく影響するコース。結果、沢田選手14位(トップと27秒差)、平野選手24位(トップと42秒差)。沢田選手はここに来て最も力強い走りを見せた。平野選手はステージ全体を考え安定した走りで無難なフィニッシュとなった。



(平野)


【3月6日 Day2 XCP37㎞】

山麓の村中のカフェ前をスタートし、古都の遺跡が点在する山々のジープ道と舗装路を使ったコース。当日スタート直前になって事前のコースプロフィールとはまるで異なるレイアウトとなったが、沢田選手20位、平野選手21位と両選手ともトップから3分、シングルリザルトまで80秒差でフィニッシュ。誰も試走できないままコーステープも曖昧なために何名かの選手がコースをロストした。



(沢田)


【3月7日 Day3 XCM57㎞】

レース中にアナウンスなく一部コースがカットされ、事後承諾で距離短縮といったハプニングがあった。その中、平均速度27㎞/h超となるハイスピードのマラソンが展開され、平野選手が14位、沢田選手17位でフィニッシュ。最終日のXCOはパックによる高速レースになることは間違いないため、ここまでの順位が総合成績の鍵になる。



(平野)


【3月8日 Day4 XCO38.3㎞】

初日のXCTコースを使ったスタートループ+7ラップ。雲ひとつない快晴の18℃。スタートから一列棒状になった高速列車の中切れを何度もブリッジした平野選手が16位、最終ラップでそのセカンドパックに追いついた沢田選手が17位でフィニッシュ。
トップ10に入るか否かが秒差での競り合いになった緊張感のある4日間が終了した。



(平野)


新たなUCIの規定により、ステージレースは選手が獲得した上位3成績の大会ポイントだけが加算されることになった(なおXCOはクラス毎に5レースとなる)。チームは、このステージで過去3つのステージレースよりも高い成績を収めるため、ライダーごとの役割と戦略を毎日組み立て直し、ベストを尽くして戦い抜いた。

これまではライダー個々の力量で成績を収めてきたが、このステージレースではよりロードレースに近いチームプレイを遂行し、それぞれの役割を全うしたことで、従来よりもライバルとの格差を縮める、もしくは上回ることに成功している。



(平野、小林監督、沢田)


来週はいよいよXCOの2連戦。一日一日を丁寧に過ごし、レースは大胆不敵に。

変わらない沢山の応援と支援をしていただいているファン、スポンサー、サプライヤー、家族、関係者各位に深く感謝を申し上げます。

いつもありがとうございます。チームは更なる強さを求めていきます。


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