男子マディソン/窪木・今村が挑み10位に、将来に向けて【'19~'20UCIトラックW杯 第3戦・香港】

UCIトラックワールドカップ 第3戦香港大会、2019年12月1日に行われた男子マディソンに出場したTEAM BRIDGESTONE Cycling 窪木一茂と今村駿介が10位となりました。
昨年からマディソンの練習を積極的にしてきた二人はベストなコンビネーションで臨みましたが、上位国には及びませんでした。

2名の選手が組み、50km=200周を走るマディソン。ポイントレースと同じルール、10周に1度あるポイント周回での上位4位までが得られるポイントを合計して競います。これを二人の選手が組み、タッチして交代しながら参加します。

交代の際にはハンドスリングで速度を増し、どちらか一方は休んで体力も回復できるので、平均速度50kmを超えるスピーディーなレースとなります。まさに50kmを1時間で走ります。


窪木と今村の二人は昨年から、欧州遠征をはじめ伊豆ベロドロームでの合宿に積極的に参加するなど、マディソンに対し真摯に取り組んできました。今村はジュニア時代にポイントレースで世界チャンピオンなったほどの名手。連日レースをする窪木をサポートし、窪木からは経験と感覚を伝えられ、将来のオリンピックを見据えたメダル獲得への第一歩としていきます。


(今村)


実際のオリンピック日程と合わせてみても、チームパシュート、オムニアム、マディソンと、3種目すべてに出場することは可能です。疲労回復も含めた世界舞台での実戦を積みかせねるのも今回参加した目的のひとつです。

レースは、スタートから速い速度で展開しました。ドイツ、ニュージーランド、イギリス、スイス、ベルギーの5強が前方をキープし、速い速度で展開させ、それを残りの10カ国が追いすがるというのが基本の形。集団がふと緩むチャンスでは前に乗り、序盤に1位5ポイントを獲得します。



(窪木)


「この5点を取れたのはよかったし、この時に上位7位だったので、『これはいけるんじゃないか』と思って」(窪木)、その上位国の速いペースに乗っていた日本でしたが、じわりと後方へ下がります。
 
隙をみては窪木がスプリントで合間を縫って上がり、今村がテンポとタイミングを合わせて飛び込み長く走り続ける。開いてはくっつき、また開くという前方7カ国は、特にドイツとニュージーランドが上位を常に争い、そこに他の数国が絡んで来ます。それを追う集団の後方に遅れると、まずはそこから前に上がるのに脚と周回数と頭を使います。


(窪木)


「スプリントのスピードに関してはそこまで劣っていないと思うんですけれど、それまでの場所どりとか、基礎的な体力とか、フィジカルのなさが出たかなと」(窪木)


「(ポイントを)取りに行けるところはあったと思うんですけど、そこで取りに行ける自信と勇気と力がなかったので、経験がないから後ろで様子を見るというふうになってしまい」(今村)



レース後半にも前方集団に絡み、終盤には今村のロングスプリントで2ポイントを獲得し、ゴールを迎えます。結果は10位。主戦場とする選手たちの層は、レース経験の少ない日本にはまだ厳しく感じられました。


「今までマディソンって日本代表で出ていなかったので、こうやって少しずつ出ていくことで、可能性を見出して、次の世代に繋いでいけるのかなと思いますね。東京の次のオリンピックに向けて。だから出場させてもらってよかったです」(窪木)



(今村)


「イタリアに行ったことも生きて来ていたし、レースの中で学んでいけたのでそこはよかったのかなと。まず転ばずに最後まで走れたことと、追い抜きされなかったこと、ポイントが取れたこと。これは次へのいい糧になると思います。

次は、一回5点取れたものを二回に、っていう風にどんどん上を目指して行けるように、 今回できた課題を次また直して、次へ、次へというふうにできるように成長していきたいです。初めて走る200周というのもあったので、いい勉強になりました」(今村)


【リザルト】2019/12/1 UCIW杯香港 男子マディソン
1 ドイツ 52 pts
2 ニュージーランド 38pts
3 イギリス 33pts
10 チームブリヂストンサイクリング 7pts

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