男子オムニアム/窪木が最終種目で巻き返すも11位に【'19~'20UCIトラックW杯 03香港】


11/30に行われた'19-'20UCIワールドカップ 男子オムニアムにて、TEAM BRIDGESTONE Cyclingの窪木一茂が11位となりました。全4種目中、前半3種目にて力を発揮しきれず、最終種目で大きく巻き返しましたが上位には届きませんでした。


スクラッチ、テンポレース、エリミネーション、ポイントレースの4種目で獲得したポイントを合計して競う多種目競技オムニアム。日本から出場したのは窪木のみ。連日続いたチームパシュートからの疲労はどこまで影響するでしょうか。

●オムニアム - Ⅰ スクラッチ 10km

10kmゴールの着順で順位を競うスクラッチ。序盤から積極的に集団前方に位置していた窪木ですが、中盤から後半にかけて少しずつ後方に位置することが多くなっていきました。

終盤に先行した選手たちが速度を上げましたが、後方集団のなかに飲まれてしまっていた窪木は抜け出すことができず、19位に。

1 MORA VEDRI Sebastian(スペイン)
19 KUBOKI Kazushige 窪木一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling)


●オムニアム - II テンポレース 10km

毎周回のトップにのみ1ポイントが与えられ、ポイント数に加え着順で順位を競うテンポレース。ポイント獲得に向け前方に位置する選手たちから離れた後方集団の中から窪木はなんども抜け出しを図りましたがうまくいきません。

終盤の数周で後方集団の中で窪木は前方に浮上、ポイントを獲得していない多くの選手たちの中から着順で上位を狙う作戦に切り替えます。これが功を奏し集団の頭でゴールした窪木はこの種目9位、総合16位。

1 KLUGE Roger(ドイツ)
9 KUBOKI Kazushige 窪木一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling)



●オムニアム - III エリミネーション

2周に1度、最後尾の選手がレースから除外されるエリミネーション。レーススタート直後に大きな落車があり、レースはニュートラルで再スタートします。

この再スタートの混乱から一度後方に下がってしまった窪木。前方への浮上を図りましたが、最後尾周辺の争いに打ち勝てず、2番目に除外され結果23人中22位、総合は18位まで落ちました。

1 STEWART Campbell(オーストラリア)
22 KUBOKI Kazushige 窪木一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling)



●オムニアム - IV ポイントレース 40km


最終種目のポイントレース。10周ごとにあるポイント周回にて上位4名が順位に応じたポイントを獲得、集団をラップ(周回遅れ)すると20ポイントを獲得します。

窪木はここで本領を発揮します。序盤から積極的に集団の前方に位置し、2周回目、4周回目には2位ポイントを獲得。後方に下がっても、集団全体が緩み開いた隙間の合間を巧みに縫って、前方にすっと上がります。



さらには走行中に数名の選手と阿吽の呼吸で連携して飛び出し、ラップを成功させます。前半に1度、さらには後半にも1度と、2度のラップを成功させて大量の40ポイントを獲得し、アナウンスは窪木の名前を連呼します。


ポイント周回での勝負にも巧みに競り勝ち、最後3周を残し集団の先頭を独走。このままゴールまで持ち込みそうでしたが、最後に他選手に刺されて着順2位に。最終種目だけで53ポイントというダントツの走りでしたが、総合では上位に届かず11位となりました。

前半3種目の調子の悪さが惜しまれた窪木には、その原因がありました。


「チームパシュートを2日連続走り、昨日リカバリーも本当にしっかりやってかなり回復したと思いました。ここまで作り上げて来た体があるので、優勝を狙って重いギアで勝負しようと思ったんですが、走ってみると思いのほかギアが重く感じました。実際には疲労が抜けていなかったんです。

それでスクラッチ、テンポ、エリミと一枚ずつギアを落としていった。それでも重かったんですよね。最後のポイントレースはさらに一枚軽くして臨んだ結果、すごい脚が回り始めて、ようやく、自分の力を発揮して、このギアを踏む感覚というか、がむしゃらさというか、その感覚を掴んで終われました。



一年ぶりのW杯を走らせてもらって、目標としていた順位は届かなかったけど、ふっ切れたというか、満足できる走りはできましたが、悔しいな、これを最初からやりたかったです。

体も、気持ちも十分に作り上げてきて、チームパシュートも走れた。それでもロードレースのステージレースをやっているから、こういうレースは得意なはずなのに、そこに対応できなかったのは、作り上げられなかったなと思います。慢心していたなって思います。しっかり反省します」(窪木)


【最終リザルト】19/11/30 男子オムニアム
1 STEWART Campbell(オーストラリア)
2 KLUGE Roger(ドイツ)
3 SCHIR Thery(スイス)
11 KUBOKI Kazushige 窪木一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling)


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