【ツール・ド・九州 】熊本阿蘇~宮崎・大分 最終ステージ山本が11位フィニッシュで日本人最高位
熊本・阿蘇のカルデラを舞台にした第2ステージでは、登坂区間を含むタフなコースに挑み、全員が完走を果たしてチームとして粘りを見せた。続く最終第3ステージは宮崎から大分へと続く日豊海岸ルート。序盤からアップダウンが続く厳しい展開の中、山本が単騎でスプリントに挑み11位でフィニッシュ。初日の岡本に続きベストジャパニーズ賞を獲得した。
マイナビ ツール・ド・九州 熊本阿蘇ステージ
日程: 10月12日(日)
開催場所: 熊本県南小国-南阿蘇 114.85km
出場選手: 河野翔輝、山本哲央、岡本勝哉、矢萩悠也、梅澤幹太、三浦一真
リザルト: https://tourdekyushu.asia/manager/wp-content/uploads/2025/10/C08.pdf
カルデラを駆け抜けた114km 登坂勝負に挑み全員完走
第2ステージは熊本阿蘇を舞台に114.85kmのレースが行われた。
世界最大級であるカルデラの地形を進むコースで、ミルクロードをピークにパンチのある登坂区間が特徴。登りを含む周回を2回クリアした後に下り基調でフィニッシュをめざす。チームは逃げの展開なども考慮しながらステージ優勝を目指し、スタートラインへ立った。
この日もレーススタート後から逃げの動きが発生。山岳ポイントやスプリントポイントへ向けた動きが活発に。しかし個人総合時間賞を狙うソリューションテック・ヴィーニファンティー二などがタイム差を調整し、簡単には逃げを許さない状況。海外勢が主体となり終盤までレースをコントロールする意志が強い模様。チームブリヂストンサイクリングも前半から動く場面があったものの、海外勢の集団コントロールに苦しんだ。
中盤以降も海外勢のペースでレースが進むが、登坂区間も含め強烈なスピードでレースを進めるとメイン集団は大きく数を減らした。チームもなんとか踏みとどまりたいところだったが、このペースに耐えることができず、後続のグループでレースを進めることに。最後まで懸命に前を目指したが、フィニッシュまで距離を詰めることができなかった。
しかしこの日もスタートラインに立った選手は皆完走を果たしたことは一つポジティブな材料として受け止めたい。遅れたグループでも協調しながら前を目指す姿が目立った。残るステージを最後まで諦めずチームでチャレンジする。
【リザルト】
1位 DE POOTER Dries アンテルマルシェ・ワンティ 2:35’47"
2位 SOUPE Geoffrey トタルエナジーズ +0”
59位 河野翔輝 チームブリヂストンサイクリング+ 7’41"
60位 梅澤幹太 チームブリヂストンサイクリング +7’41"
61位 岡本勝哉 チームブリヂストンサイクリング +7’41”
70位 山本哲央 チームブリヂストンサイクリング +7’41”
71位 三浦一真 チームブリヂストンサイクリング +11'40"
79位 矢萩悠也 チームブリヂストンサイクリング +11'43"
マイナビ ツール・ド・九州 宮崎・大分ステージ
日程: 10月13日(月)
開催場所: 宮崎県延岡市-大分県佐伯市 119.25km
出場選手: 河野翔輝、山本哲央、岡本勝哉、矢萩悠也、梅澤幹太、三浦一真
リザルト:https://tourdekyushu.asia/manager/wp-content/themes/tourdekyushu/assets/pdf/communique/C11.pdf
日豊海岸を北上する最終決戦 厳しいアップダウンの先に挑む
最終日の第3ステージは、宮崎県から日豊海岸沿いに北上し、大分県へと至る119.25kmのルート。スタート直後から鋭いアップダウンが続き、約90kmまではワンウェイの道のり。その後は周回区間を2周してフィニッシュを迎える構成となる。この日も個人総合時間賞をはじめ、各リーダージャージを懸けた争いが繰り広げられ、スプリントポイントや山岳ポイントでの動きが鍵を握る展開となった。
チームはそれら要所での動きに対応しながら終盤に力を残し、ステージ優勝を狙った粘りの走りを心がけた。
スタート地点は延岡市中心部のアーケード通り。海岸線に出るとすぐにアップダウンの厳しい区間へ差し掛かり、序盤からトタルエナジーズをはじめとする積極的なチームが仕掛けを見せる。何度も有力選手による抜け出しが試みられるが、個人総合リーダージャージを擁するソリューションテック・ヴィーニファンティーニが集団をコントロール。個人総合上位勢を含む動きも抑えられ、大きな逃げが生まれないままレースは終盤へと進んだ。
周回区間に入ると、少人数でのアタックが何度か発生するが、いずれも集団が追いつく展開。残り1kmを切ったところで全ての逃げが吸収され、ステージ優勝を懸けたスプリント勝負となる。これまで高いスピードレースは進行しており、人数を減らした集団では山本のみが単騎で挑む。
集団中ほどからスプリントを開始し、粘り強く前方の数名を交わすと11位でフィニッシュ。
初日の岡本に続き、この日もチームとしてベストジャパニーズ賞を獲得した。
プロローグを含む全4レースを終え、チームとしては2ステージでTOP10相当のリザルトを記録。表彰台にも上がることができた。
3度目の開催となった今年のツール・ド・九州は、参加チーム・選手のレベルが一段と高まり、これまでで最も厳しいレースだったと言える。その中で存在感を示せたことは、大きな成果であり、今後への自信にもつながるものとなった。
次戦は10月22~26日に控える世界選手権トラック。ロードで培った勢いをそのままに、世界の舞台での挑戦が続く。
【第3ステージリザルト】
1位 MULUEBERHAN Henok XDS・アスタナ チーム 2:36'06"
2位 DE POOTER Dries アンテルマルシェ・ワンティ +0”
11位 山本哲央 チームブリヂストンサイクリング
+0”
75位 河野翔輝 チームブリヂストンサイクリング+ 8'36"
76位 岡本勝哉 チームブリヂストンサイクリング +8'36"
77位 梅澤幹太 チームブリヂストンサイクリング +8'36"
DNF 矢萩悠也、三浦一真
【個人総合成績】
1位 TSARENKO Kyrylo 8:01'15
2位 TAARAMÄE Rein +0’04”
49位 山本哲央 チームブリヂストンサイクリング
+15’42"
60位 河野翔輝 チームブリヂストンサイクリング+22'57"
61位 岡本勝哉 チームブリヂストンサイクリング +22'57"
62位 梅澤幹太 チームブリヂストンサイクリング +22'57"
コメント
山本哲央選手
--最終ステージを振り返って
「今日も前半からかなりペースが速く、いつドロップするか分からない速度域で耐えて耐えての状態でした。なんとか周回コースまで粘ることができたのでスプリントに備えました」
--スプリントの手応えについては
「意外と戦えるなという印象です。たらればになってしまいますが、チームで隊列を組んで動ければもっと上の順位を狙えるだろうと。今日でいえば(梅澤)幹太をパンクで欠いてしまったのが痛かったですね。自分のスプリントも思っていたより伸びていたので可能性はあるなと」
--ツール・ド・九州全体を振り返って
「ワールドチームの選手たちと走ると自分たちのベース(体力)不足を感じます。彼らは力でレースを決めに行って前で勝負をしてくるので、そういった場面でまだ十分に戦えていないなと。純粋に力をつけないといけないですね」
Text :Ryo Kodama
Photo :Satoru Kato , Syunsuke Fukumitsu
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