【富士クリテリウムチャンピオンシップ】作戦通りにチームは激走、会場を大いに盛り上げるも先行を許し窪木が3位

【富士クリテリウムチャンピオンシップ】作戦通りにチームは激走、会場を大いに盛り上げるも先行を許し窪木が3位


(先頭:2024年限定カラー『レーシング パール シルバー』の《アンカー・RP9》を駆る橋本)


レース名称:富士クリテリウムチャンピオンシップ
開催日:2024年3月3日
開催地:静岡県富士市・富士市役所前特設周回コース
コース長:54km=1.8km x 30周
参加選手:窪木一茂、橋本英也、今村駿介、山本哲央、河野翔輝、兒島直樹
レース詳細:https://fcrr.fujicity.jp/

アジア選手権に参加していたチームブリヂストン選手たちも帰国し、フルメンバーで挑んだクリテリウム。チームブリヂストンは、レース中盤からメンバー全員で先頭を引くブリヂストン・トレインで勝利を狙うも、最終スプリントで他チーム選手に先行を許し、窪木一茂が3位の結果となりました。

自走で会場まで来た選手たち、予選は全員が圧勝

静岡県富士市にて行われた、『富士クリテリウムチャンピオンシップ』。学生の自転車選手も参加し、3組の予選から勝ち抜いた75名の実力ある選手が決勝に進むという方式で行われました。


(先頭から橋本、兒島、このレースで2人は2024年限定カラー『レーシング パール シルバー』の《アンカー・RP9》に乗っています)

チームの拠点である三島市からも程近い富士市、チームブリヂストン選手たちの練習コースを自走で走り、会場に到着。富士川沿いの富士川滑空場で行われる予選に出場します。

チームからは予選に6名選手が参戦、中盤からチーム員全体で先頭に出てペースアップする圧倒的なレース展開で予選を突破、次の日の決勝へとフルメンバーが進みます。

レース前半は鳴りをひそめ、後半で突如先頭に現れたブリヂストン・トレイン

決勝は富士市役所前の大通りを封鎖して作られた特設コースでの開催。2つの180度をメインに、途中が軽く『く』の字に曲がり、橋を越えるアップダウンのある周回1.8kmのコース。この軽い登りと直線のスピードアップで脚が削られていくレイアウトです。

3回目の開催となるこのクリテリウム、チームブリヂストンは、まだ勝利を決めていません。自走で来られるほどに近いこの会場、自転車スポーツに理解のある静岡県ならではで観客数も多く、クリテリウムを得意と公言するチームブリヂストンとしては、勝利をしっかりとものにしておきたいところです。

前日の予選で見せられた走りの力強さをもとにした今回の作戦は、「前半15周まではほぼ動きを見せず、16周目から集団全体をコントロールして、フィニッシュスプリントへ持ち込む」というものでした。

レース前半はライバルチームがそれぞれ数名を乗せた16名の逃げが先行。少しずつ集団とのタイム差を広げていきます。どのチームも、そして会場アナウンスも、チームブリヂストンの動向を伺っています。

ですが、チームブリヂストンは集団内で動きません。これは作戦通りの展開。レース半分を消化するまでそのまま忍び、15周目を消化したところでタイム差が1分ほどにまで広がります。


(左から山本、兒島、橋本)

ここで予定通りチーム選手全員が突如として前方に上がります。2週間後にネイションズカップの香港戦、すなわちパリ2024オリンピック出場枠をかけた最終段階の戦いを控えたブリヂストン選手たちは、これまででのひとつのピークを迎えた最高に近いコンディションです。

パリ2024オリンピックのために磨き上げられたその脚を使い、6名全員で力強いトレインを形成。ローテーションをしながら各周回で5秒以上タイム差を縮めながら、先頭集団へと近づいていきます。


(先頭:今村)

観客を魅了したチーム全体での走り、しかし勝利を目前とした最終コーナーの先で。。。

そしてラスト4周で全ての逃げを吸収し一つの集団へ。その先頭を担うのはもちろん6名のブリヂストン選手。その白いジャージのブリヂストンが先頭を率いる集団に、会場は湧きに湧きます。


(今村、2024年限定カラー『レーシング パール シルバー』の《アンカー・RP9》を駆る橋本)

そのまま先頭でペースを維持しながら最終周回、そして最後のコーナーへ突入。得意のスプリントで周りを置き去りにするかと思われたものの、瞬時の緩みで隊列が乱れ、最短ラインで飛び出した橋本英也の後ろから、先週のクリテリウムでも勝利した寺田吉騎選手(シマノレーシング)が飛び出し先行。

それを散り散りになった集団の先頭がおいすがるも、さらに1選手の先行を許し、窪木が3位という結果となってしまいました。

決して慢心ではありませんでしたが、その最終段階でのちょっとした油断が、勝利を逃すことにつながりました。表彰台には乗りましたが、チームの気持ちは、完敗です。

「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために。最後の立ち上がりで遅れてしまいましたが、これはチーム全員の責任です。

それがなければ最後、いいトレインでフィニッシュできましたが、それまで河野は脚を使っていたので、そこを他のメンバーが気遣ってカバーすればよかった。そのひとりの責任は、みんなでの責任です」(窪木)


(窪木)

そして、上で窪木が名前を出した河野、実はこのレースでのエースを任されていました。窪木が言ったように、河野も先頭に出て脚を使い、チーム全員で牽引したこともあり、最後の連携が大きく崩れてしまいました。

ただこのレースでのチームの動きは大きく評価され、窪木に次ぐ順位だった河野が敢闘賞をいただきました。その河野が、ものにできなかった大きなチャンスへの悔しさをこう語ります。


(河野)

「今日はシンプルに、勝ちたかったです。最初から最後までプラン通りに行って、チームメイトもみんなやることをやってくれました。ラスト2、3周になって僕は覚悟を決めて肚もくくっていたので、もうやり切ろうと思っていました。

最後のコーナーを曲がったときに、今日はもらった! と思っていましたし、やり切ってやろうと思っていたんですが、唯一警戒していた寺田選手に最後行かれてしまい、どうしようもなかったというのが本音です。ですがチームとしてはやることはできたので、しょうがないと言うしかありません」(河野)

勝利はものにできなかったとは言え、コンディションが高いのは間違いないのは確認できたチームブリヂストン。2週間後に控えたUCIネイションズカップ香港戦に向け、改めて気持ちを引き締められました。

この悔しさは、パリ2024オリンピックでメダルを獲得することで、必ずや晴らします。


(橋本、今村、河野、窪木、兒島、山本)

これからも皆様の熱い声援を、来たるパリ2024オリンピックという舞台での世界の頂点に向け挑むチームブリヂストンサイクリング選手たちへ、お送りください。皆様の応援は必ず選手の力となり、選手の速さに変わります。


(窪木、山本、河野、今村、橋本、兒島)

*リザルト 2024/3/3 富士クリテリウムチャンピオンシップ
1 寺田吉騎(シマノレーシング)1:18:24
2 岡本隼(愛三工業レーシング)+0:00
3 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)+0:01
9 河野翔輝(チームブリヂストンサイクリング)+0:01
31 橋本英也(チームブリヂストンサイクリング)+0:07
37 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)+0:13
41 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)+0:33
48 山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)+1:04

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