【ツールド熊野2023】第2最終ステージ『太地半島』、孤軍奮闘の河野が集団スプリントに埋もれる

【ツールド熊野2023】第2最終ステージ『太地半島』、孤軍奮闘の河野が集団スプリントに埋もれる

ツールド熊野2023 最終ステージは悔しいレースになりました。次々に降りるチームブリヂストン選手、その中で河野翔輝はひとりだけ前で走り切り、さまざまな思惑の中進んだ厳しいレースを、あと一歩で表彰台を逃しました。


河野

レース名称:第23回 TOUR de 熊野 2023(UCIアジアツアー2.2)
日程:2023年6月3日(土)〜4日(日)

第2最終ステージ『太知半島』
開催日:6月4日(日)
開催地:スタートフィニッシュ:和歌山県東牟婁郡太地町/くじら浜公園
コース長:104.3km = 9.8km + 10.5km × 9laps
出場選手:徳田優、山本哲央、河野翔輝、岡本勝哉
レース詳細:https://www.tourdekumano.jp/

力と力のぶつかり合い、高速で高強度な展開に

2023年ツール・ド・熊野、その2日目となる最終日は和歌山県・太地町、海沿いの周回コースが舞台。

短いアップダウンが繰り返し、下りの勢いのまま登り切れるものも多いコースプロフィール。集団の先頭はハイスピードな争いが予想され、実際にその通りになりました。

総合順位争いが僅差のため、逆転を狙うチームがアタックを掛け続けるハードな序盤。とにかく逃げを決めたいチームと、それを許さず集団の主導権を握りたいチーム。力と力がぶつかり合います。

リーダーチームであるJCLチーム右京、このレースがホームレースであるキナンレーシングチーム、さらには愛三工業レーシングチームといったライバルチームがしっかりとメンバーをまとめ、ペースを高めて集団後方をふりちぎって行きます。

チーム選手はひとりひとり脱落

河野が集団前方、気持ちで耐え切る

いくつものアタックが序盤から繰り返される強度な争いの中で、序盤に徳田優が、そしてコンディションが上がり切っていない岡本勝哉が、力尽きて脱落していきました。


岡本

さらに山本哲央が下り区間で落車しリタイア。いよいよエースの河野翔輝が一人になってしまいます。

「最初からレースが速いと予想し、後ろにいたらキツいのもわかっていたので、前々で展開するのを意識して走りました。

最初はペースも速かったですが、周りの選手の顔を見るとみんなキツそうだったので、長くは続かないなと思っていました。
そこで走り方で脚をカバーして、できるところでは貯めて。なるべく長く生き残ろうという走りをしていました。


河野

中盤で周回中に、落車が起きたのは後ろで音が起きたのでわかっていました。
その後の次の周回ではだいぶ集団の人数が絞られ、そこに僕しかいなかったので、
2人は巻き込まれたのかな、ここから単騎で動くしかないなと、腹を括りました。

ただ、今日は絶対勝ちに行くという強い気持ちは持っていたので、気持ちだけで走っていた部分があると思います」(河野)


河野

河野が3位争いの集団スプリント

好位置から仕掛けるも無念の15位

レースも終盤、その疲弊し切った集団の中から、ホームチームであるキナンレーシングの2人が飛び出しました。
まさに気合いの逃げ。まず山本元喜選手が1人逃げを決め、それをトマ・ルバ選手が追い、合流します。
2人は後方集団から30秒以上の差をつけて、レースの残りを走り切り、手を取り合ってのワンツーフィニッシュとなりました。

続いた集団は3位争いの集団スプリントに。ここまで強い気持ちで残ってきた河野はひとり挑み、残り600mでは2番手に。

残り300mで河野はスプリント開始、残り150mで全力で駆けます。
周りに合わせて加速する緩い右コーナー、その瞬間に河野のマシンにトラブルが起こり失速。15位という結果に。


河野

「結構いい感じでもがけて、これは集団の頭を取れるな、という感じで『イケた!』と思った矢先にそれが起きて『ああ』と気持ちが抜けてしまいました」(河野)

これまで献身的な走りで数々の勝利に貢献し、力を付けてきた河野。エースとして挑んだレースに、展開だったとはいえひとりで立ちまわることになった悔しいレースとなりました。
宮崎監督はこう総括します。


河野

「現実を見させられた感じです。決して不運が重なったわけでも、本来の力を出せなかったわけでもなく。しっかりと現実を突きつけられた感じです。

JCLチーム右京は、磐石の流れをつくりました。その中で気持ちでステージ勝利をもぎ取ったキナンもすごかった。うちはそこに絡めなかったのが残念でした。

この悔しさは、トラックアジア選手権にぶつけたいと思います。また河野は、控える全日本選手権でも活躍してくれるでしょう」(宮崎監督)


*リザルト第23回 TOUR de 熊野 2023 第2ステージ『太地半島コース』
1 山本元喜(キナンレーシングチーム)2:31:27
2 トマ・ルバ(キナンレーシングチーム)+0:00
3 ゲオルギルス・バグラス(マトリックスパワータグ)+0:26
15 河野翔輝(チームブリヂストンサイクリング)+0:26
- 岡本勝哉(チームブリヂストンサイクリング)DNF
- 山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)DNF
- 徳田優(チームブリヂストンサイクリング)DNF

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