全日本トラック開催直前! チームブリヂストンサイクリング的、楽しみ方&見どころ解説。

今年も5月12日から静岡県の伊豆ベロドロームで全日本自転車競技選手権トラック大会(以下:全日本トラック)が開催されます。そこで今回は競技説明と合わせてチームブリヂストンサイクリング的な見どころ解説を2回に分けてご紹介!今回はその第1弾です。

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まず最初に全日本トラックが行われる自転車競技場について説明させてください。今回の開催地である伊豆ベロドロームは世界標準の1周250mで走路は木製の室内競技場です。この250mの競技場は日本国内には3ヶ所しかなく、伊豆ベロドロームの他には同じく伊豆にある競輪養成所内の「JKA250」と千葉県にある「千葉JPFドーム」の3つ。

また、ベロドローム(自転車競技場)はそれぞれ1周の距離は決まっているものの傾斜やコーナー深さなどが若干異なっていてトップ選手たちはその競技場によって走り方を変えてるんです。そんな中、今回の伊豆ベロドロームは2021年に開催された東京オリンピックの会場ですから、日本チームはその伊豆ベロドロームで日頃からトレーニングを行っているので特徴をしっかり掴むことができるので地の利を生かすことができたんです。今も走路にはオリンピックの名残の五輪マークの後がうっすら残っていますので、オリンピックのレガシーを感じてみてください。

オリンピックの時の様子はこちらから

https://www.bscycle.co.jp/anchor/blog/2021/08/olmpicrepo01.html

さて、オリンピックの話が出ましたが、今回の全日本トラックではオリンピック種目だけではなく、その他にもさまざまな種目が行われます。まずオリンピック種目は男女ともに6種目でチーム競技の「チームスプリント」と個人種目の「ケイリン」「スプリント」という短距離種目とチーム競技の「チームパシュート」「マディソン」と個人種目の「オムニアム」という中距離種目の計6種目があります。

またオリンピック種目以外では「1kmタイムトライアル」「個人パシュート」「スクラッチ」「エリミネーション」「ポイントレース」の5種目が行われ、その他にも「パラサイクリング」が同時開催となっています。

それではお待たせしましたチームブリヂストンの選手たちが出場する種目の説明と見どころです。開催日ごとにご紹介させていただきますが、1日目の5月12日(金)はチームパシュート/チームスプリント/エリミネーションの3種目が開催されます。

チームパシュートには2チームをエントリーしていて、Aチームは現在日本最速メンバーの窪木、橋本、今村、松田、兒島(予選決勝でメンバー変更予定)とBチームは若手メンバーの山本、河野、岡本、山下チームでエントリー。

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=2022全日本トラック チームパシュート=

見どころは「Aチームがどこまでタイムを伸ばせるか?」「日本記録更新が期待され続けてはや3年、ついに全日本トラックで更新なるか!?」対するBチームは昨年は1走に新山を起用し、まさかの1km鬼引きで話題となったが、「今年はどこまでAチームに迫れるか?」が見どころです。

また、知ってると見方が変わるポイントとしてはチームパシュートは4人1チームで先頭交代を繰り返し、一番負荷の大きい先頭の空気抵抗を分散して走るので4人とも脚質が同じように見られがちですが、実は4人それぞれ役割がしっかりと分かれているんです。

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=2022全日本トラック チームパシュート=

最初のスタートの並びで一番イン側から1走.2走…4走となるわけですが、1走はスタートで一気に加速をしてレースの流れを作る役割があります。スタートにはものすごくパワーを使うので、3km程度走ったところで離脱するのが一般的です。ここでスピードをしっかり上げられないと、後からペースを上げるのは難しく、良いタイムは期待できませんし、逆にスピードを上げ過ぎてしまうと後半の負担が大きく、ペースダウンにつながってしまうとても大切なポジションです。

2走は1走が上げたスピードをさらに加速し、スピードに乗せるのが役割です。1走ほどではないですが2走もスタートの加速でかなりパワーを使ってから先頭が回ってくるのでとてもタフなポジションでもあります。

3走と4走は機関車役とも言われていて、スタート時にあまりパワーを使わない代わりに中盤以降に長めに先頭を牽引してしっかりとペースを維持する役割です。特にラスト1kmくらいからは1走が離脱して3人になっていますので、この2人がどれだけ先頭を牽引できるかが鍵になります。

今回の全日本トラックのチームパシュートはそんな走順にも注目して応援お願いします!

チームスプリントは1チーム3名が対角線上でスタートし、1周ごとに先頭の選手が離脱していき、3人目の選手が相手チームより先にゴールを目指す競技で、チームブリヂストンからは長迫、新山、脇本の3名でエントリー

東京オリンピックのチームスプリントにも1走として出場した長迫選手の世界でもトップクラスのスタートが見れるチャンスです。また、長迫の加速からさらに上げていく新山と脇本の2名にも注目です!

さて初日最終種目はエリミネーションです。チームブリヂストンからは先日のネイションズカップでも優勝したMr.エリミネーションの橋本英也をはじめ窪木、今村、松田、河野、兒島の6名が参加。

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=2022全日本トラック エリミネーション=

選手たちは一斉にスタートしたのち、2周回ごとに最後尾の選手が1名除外されて最後の1名まで残った選手が優勝の自転車版椅子取りゲームの様な種目で、自転車競技全般に言えることですが、先頭は風を一番受けるので体力を消耗します。ですから他の選手の後ろにいた方が楽だけど、後ろにいると除外されるリスクが多くなる。また、ベロドロームは外側の方が走る距離も長くなるので不利で、当然内側を走りたいところだが、他の選手をインコースから抜くことはルール違反なので外側から道を塞がれると前に出る場所がなくなってしまう。

そんな体力と位置どりのテクニックが必要となるのがエリミネーション。橋本英也の「頭で考えるよりも先に身体が動いている」ような本能的な走りに他の選手たちはどう挑むのか?

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=2023ネイションズカップ ジャカルタで優勝の橋本選手=

1日目からチーム内バトル勃発不回避ですので今回の全日本トラックはそんな視点でも応援よろしくお願いいたします!

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