#チームブリヂストンのチームカーってどうなってるの?vol2〜レヴォ編〜

皆さんこんにちは。

前回のチームのハイエース紹介は大変好評でしたので、今回はその第二弾としてレース中に選手たちをサポートするチームカーをご紹介します。

現在、国内のUCI登録チームの多くがレースサポート用のワゴンタイプの車を準備しています。これはレース会場への移動はもちろんですが、レース中のサポートが主な目的!UCIレースの場合はレース中の機材トラブルや食べ物、飲み物の補給、作戦の相談などを集団の後方を伴走するチームカーとも行いながらレースを走ります。特に、9月に行われたツール・ド・北海道のような周回コースでないレースの場合は補給ゾーンだけでは補給できるチャンスも少ないので、サポートカーの役割も大きくなります。

それでは実際のチームブリヂストンサイクリングのサポートカーをご紹介します。車種はスバルのレヴォーグを使用していて、実は国内チームのほとんどがこのレヴォーグを採用しています。それはなぜかというと国内でサポートカーを走らせることができる国際大会にスバルがスポンサーとなっている場合が多く、その場合、大会側が準備するサポートカー(レンタカー)に乗るか、スバル車ならば自分達のサポートカーを持ち込んでも良いというルールがあるためです。

国内チームの多くは日頃から使い慣れていて、かつチームのデザインが入っている車を持ち込みたいのでどのチームもスバルの車となってくるわけです。ちなみにレースに使用する車は最大高もバイクを乗せるキャリア抜きで1.66mという規定があるため、スバル車の中でも必然的にレヴォーグが多くなってくるわけです。

ではレース中のサポートカーがどんなことをしているかご紹介します。

サポートカーの役割は先ほども書きましたが、レース中の選手たちのトラブル対応や補給を行います。競技規則でドライバーとなる監督とメカニックの最低2名の乗車が定められていて、メカニックはドライバーと対角線の左後ろに座るのが定番です。これはまずメカニックも後部座席から前が見やすいということ、選手へのサポートは運転手以外が左側から行わなければいけないこと、トラブル時に咄嗟にドアを開けた場合でも後ろから来る他のサポートカーとの事故のリスクを下げられる為です。さらに細かいポイントとしてはチームブリヂストンのサポートカーには5台のスペアバイクを積んでいますが、積む順番も決まっています。適当に積んでいるわけではないんです!

レース中のトラブル時にすぐにメカニックがバイクを降ろしやすい一番左側がエースのバイクそしてセカンドエースが一番右側、そして内側3台がそれ以外の選手のバイクになります。これは基本どのチームも共通していることだと思うので、実はスペアバイクの積み方を見れば今日のエースがわかりますよ!

さて次に車内の紹介です。

車内は先に書きましたが、基本的には監督とメカニックの2名が乗車します。場合によってはスポンサーの方などを助手席に乗せる場合もありますが、通常は右前が監督、左後ろがメカニックという形です。そして助手席にはクーラーボックスを置いてレース中のボトルや食べ物を取り出しやすいようにセットします。

ボトルは黒いキャップがVAAM(スポーツドリンク)、白いキャップが水となっていて選手の要望に対して瞬時に渡せる工夫がしてあります。さらには空のボトルとアクアサポート(経口補水液)、氷などをわかりやすく整理して入れておきます。

そして監督の後ろの席はメカニックの工具&スペアホイールが置いてあります。この置き方も工夫があり、レース中はハイスピードで車体が左右に揺れるため、そんな時でも崩れにくく、かつトラブル時にはすぐにホイールを準備できるように置いてあるわけです。また、助手席のヘッドレストは取り外し、メカニックが前方を見やすいようにしてあります。サコッシュにはピットインジェルなどのエネルギー系の補給を入れる準備も怠りません。

続いて無線です。これは大会側からレースの時に配布される無線機でレース中のタイム差やトラブルがあった時などはゼッケン番号などが審判から無線で全チームに伝えられます。基本的にはゼッケン番号でしかアナウンスがないので、前に各チームの出走リストを貼り付けて誰が逃げているか?トラブルはどこのチームかなどを確認しながら走ります。

そしてサポートカーにはレース中の隊列の順番を示すナンバーシールが各チームの前後の右上に貼られます。

この順番どうやって決めると思います?実は抽選なんです!ステージレースの場合は第1ステージのみ抽選で、それ以降のステージは個人総合成績の良い選手が所属しているチームから順番になります。10月に行われた大分アーバンクラシックは残念ながら9番となってしまい、レース中はほとんど車の後ろしか見えない状態。

ところが、河野選手が前半から逃げに乗ったことでサポートカーは河野選手のサポートに回ったのでレースの状況を見やすい位置で走ることができました。ちなみにサポートカーは逃げている選手のサポートを行う場合は、メイン集団とのタイム差が1分以上ある場合に限ります。つまり、サポートカーがついている場合は後続とのタイム差は1分以上は開いているということですね!

さて、今回はレース中、選手をサポートするレヴォーグをご紹介させていただきました。スペアバイクを乗せる位置やサポートカーの中、レース中の隊列の順番など、今度レースを観戦する際はそんな部分にも是非注目してもらえればと思います!

それでは次回は3台目のチームカー、機材を運ぶ通称「メカ車」をご紹介しますのでお楽しみに♪

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