【MTB Coupe du Japon 富士見パノラマ 詳報】絶好調の沢田時、MTBでも圧巻の優勝!多くの点で対照的な沢田・平野に直撃インタビュー

今回のレースは、TEAM BRIDGESTONE Cyclingの平野星矢選手・沢田時選手の両選手が参加する今季初のレースとなりました。

ライターの私、渡辺も現地で初観戦!コース内を駆け回り、選手の力強い走りを様々な角度からじっくりと観戦できました。わずか数センチの距離で選手の息づかいまでも感じられるMTBの魅力にすっかり取り憑かれました。

今回は、平野星矢選手・沢田時選手の両選手へのインタビューと、小林監督のコメントを交えてレースを振り返ります。

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【レース情報】

MTB Coupe du Japon 富士見パノラマ大会 http://cjfujimi.dynoco77.net/index.php?2021

日時:2021年7月4日(日)XCO13:30~

出場選手:平野星矢、沢田時

会 場:富士見パノラマリゾート Fujimipanorama

我々TEAM BRIDGESTONE Cyclingの平野星矢選手・沢田時選手が登場する4日午後からの【XCO 男子エリート】は、直前まで強い雨に見舞われましたが、レースが始まる午後には小雨に落ち着きスタートしました。

平野・沢田共に最前列スタート。スタートライン脇から見える二人の様子は対照的で、平野選手は適度にリラックスしているように見え、沢田選手からは緊張と闘志を感じられました。

スタートから沢田が積極的にアタックをかけ、独走体制を死守。2周目には2位の選手に差を縮められるシーンもありましたが、その後も果敢に踏み続けて後ろの選手とのタイム差を1分以上引き離しての優勝となりました。平野はラップを落とさず自分のペースで走り切り、終盤で順位を上げ5位入賞。

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■レースを終えたお二人と、監督にインタビューを行いました。

----沢田選手、優勝おめでとうございました!

沢田選手「ありがとうございました。今日は星矢さん(平野)が苦手な泥道のコースだったので、泥道が得意な僕の出番でした。(笑)」

----今日のレースでは途中で2位との差が詰められるシーンもありましたがどんな状況だったのですか?

沢田選手「実はあの時も焦りなどはなく、僕は競り合うのも好きなこともありますし、一度縮められた差をその後に大きく引き離した方が心理的にも優位に立てるという意図がありました。体力的にも余裕があったので、そこから踏み続けて差を開きました。」

----そうだったのですね、レース展開としてもとても面白かったです。沢田選手は最近ロードでも好成績を残されていますが、二つの競技に出場されてみていかがですか?

沢田選手「ロードを始めたことによって、斜度が緩い登りが踏めるようになったことがMTBでも活きています。丁度追いつかれたタイミングのコースが斜度の低い登りのセクションだったのですが、ロードの練習の成果が出ました。」

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----いい相乗効果を生んでいますね。平野選手は今日の走りはいかがでしたか?

平野選手「今日は勝ちに行くというよりは、この路面での経験を積むという方に意識を向けていました。そのためタイヤもドライなタイヤをあえて選択しています。」

----意図的な選択だったのですね。路面のコンディションはいかがでしたか?

平野選手「泥がタイヤにまとわりついてかなり車体が重かったです。後半多くの選手が失速していたのはそれが原因だと思います。車体を軽くした方が速くなるので、2周回を終えたあたりからは芝生などで泥を落とすことに意識を持っていっていました。」

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自転車が大好きで結果を残すことでモチベーションを上げていき、確実に優勝を取りに行った沢田選手。今季のデビュー戦を自分のペースで淡々とコンディションを整え、着実に知見を得る平野選手は性格も対照的ですが、それぞれの目的をしっかりと果たすことのできたレースでした。

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■今日の両選手の走りやタイヤ選びのポイントについて、小林監督にもお話を伺いました。

----大雨予報から一転しての小雨という天気でしたが、タイヤの選択はどうされたのですか?

小林監督「まずは当日の路面の様子を見極めた上でタイヤを選びます。泥レース専用のタイヤもあるのですが、今日は地盤は固く表面が緩いという状況だったので通常レースで使う、よりドライコンディションに近いタイヤをチョイスました。」

(ちなみに、TEAM BRIDGESTONE Cycling MTBチームでは、どんな天気・路面のコンディションでも最適なタイヤを選べるようにレース時は常時40種類ものタイヤを用意しています!)

----タイヤ選びも天候に大きく左右されますね。平野選手・沢田選手が選んだタイヤについて詳しく教えてください。

小林監督「沢田に関しては勝つためのタイヤでした。万が一パンクしても走れるように中にコアを入れ、なるべく泥つきをしないようにタイヤにもシリコンコーティングを施しています。

平野は、この路面の状況で、全日本だったら絶対に選ばないような太くてドライ系のタイヤを彼の意志で選んでいます。太いタイヤなぶん泥つきも多いのですが、全日本選手権の天候も予測できないですし、そういった意味で知見を得れる良い経験だったのかなと思います。」

----監督から見て今日のお二人の走りはいかがでしたか?

小林監督「沢田は優勝するという目的が達成されて、天気・タイヤ選び・トラブルなく走れたという全体的な運も味方しました。平野は結果は5位でしたが泥・雨が苦手という前提がありながらも、ラップを落とさず淡々と自分のペースを崩さず走ったので評価が高いです。」

小林監督も「二人がそれぞれの目的が叶ったのでチームとしてはすごく良い日だったと思います。」と仰る、TEAM BRIDGESTONE Cyclingとしても満足の行くレースとなりました。

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直前までの雨をしっかりと吸い、ぬかるんだドロドロの路面を力強く果敢に走り続ける選手たちに私も勇気をもらいました。全日本選手権に向けてこれからコンディションを整えて行く二人への応援を、よろしくお願いいたします。

*残念ながら、MTBは公式中継がほとんどありません。でも、今回のレースでTEAM BRIDGESTONE Cyclingのスタッフが撮影したハイライトムービーがあります。

レースの過酷な状況が伝わるハイライト動画はこちらから。今回はレース直後の沢田選手のインタビュー映像もこちらからご覧いただけます。ぜひチェックしてくださいね。

text: Lynn.Watanabe

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