【ツアー・オブ・ジャパン2024】第7・8ステージ/チーム力で成し遂げた相模原での兒島の3位、最終ステージでは窪木が惜しくも4位に

【ツアー・オブ・ジャパン2024】第7・8ステージ/チーム力で成し遂げた相模原での兒島の3位、最終ステージでは窪木が惜しくも4位に


(兒島、(c)Tour of Japan)

レース名:Tour of Japan 2024 /ツアー・オブ・ジャパン2024
クラス:UCIアジアツアー 2.2
日付:2024年5月19日(日)〜26日(日)
全8ステージ
参加選手:窪木一茂、橋本英也、今村駿介、山本哲央、河野翔輝、兒島直樹

第7ステージ 相模原/後半チームが一丸となって先行を吸収、そこで兒島が逃げを決めるも悔しい3位

ツアー・オブ・ジャパン 2024/第7ステージ 市制施行70周年記念 相模原 
日付:2024年5月25日(土)
開催地: 神奈川県相模原市 橋本公園>旧小倉橋>串川橋>鳥居原ふれあいの館前周回コース
コース長:107.5km=パレード4.8km + 10.9km +13.8 x 7周回

ツアー・オブ・ジャパン(以下TOJ)も残り2ステージを残すのみとなりました。この日は第7ステージ、相模原での戦いです。

この相模原のコースは細かなアップダウンが繰り返し、大きな上りはありません。スピードを保ったまま登り切れるため、瞬発力と慣性モーメントを利用するのに優れた日本ナショナルチームことチームブリヂストンサイクリングの選手たちは、勝利を狙えるコースです。


(c)Tour of Japan

神奈川県相模原市の橋本駅に程近い周辺からパレードランでスタートした選手たち。実際のスタートの後から主導権を狙う選手たちがアタックを繰り返し、その中から16名の逃げグループができました。ここに今村駿介が入っています。

「とても速いペースで、ずっと踏み続けているイメージでした。逃げている間の1時間ほど、ものすごく辛かったです」(今村)


(今村、山本)

今村が先行グループで走り続ける中、昨日から続いて体調が悪かった橋本英也が1周目を終えた時点でリタイアします。

4周回を前に集団が速度を上げて先行グループを吸収。その高い巡航スピードは緩まず集団は長く伸び、その中でも先頭付近ではアタックがかかりつづけます。


(先頭・河野、(c)Tour of Japan)

後半、スプリント賞争いの速度アップから6人の選手が抜け出しました。集団はこの逃げを容認しますが、ここに日本ナショナルチームの選手は入っていません。

ラスト2周回に入った時点で、河野が1人で集団から飛び出し前を狙います。この動きは先頭には届きませんでしたが、それをきっかけに日本ナショナルチームの全5名選手が集団前方に出て牽引、先行グループとの差を一気に詰めていきます。


(窪木、(c)Tour of Japan)

その牽引の効果はすぐに出て、ラスト2周の中盤で集団は先行グループを吸収します。そのカウンターから7名の選手が飛び出し、そこに河野が引き上げて速度を上げた兒島が乗りました。

この逃げが最終周回ではさらなる速度アップ、これに耐え切ったのは兒島を含む3選手。

最終周回の後半を3名で走り切るもフィニッシュ手前の登りで兒島はわずかに遅れ、最後200mを兒島以外の2選手が先行する中、最後まで踏み切るも、兒島は悔しい3位となりました。


(兒島)

その一方で、山本哲央が前で減速した選手に追突し落車、鎖骨を骨折してここでリタイアすることになりました。

先のジャパントラックカップでの初の国際大会優勝、さらにこのTOJでもここまで、チームをリードする調子の良さをみせてきた山本。それを実証できる機会がここで一旦止まってしまうのは、本当に残念です。


(山本)

兒島に話を聞きました。

「今村先輩が最初に逃げに乗るという話で、ずっとアタックしてもらっていました。僕は他のチームメイトに守ってもらいながら、最後にスプリントになった時に備えて、集団の中で待機していました。


(兒島)

ただ中盤に、チーム選手がいない逃げが決まって、このままだとチームブリヂストンとしては何もできてない感じになってしまいます。そこでみんなで話し合い、僕がアタックして、最後スプリント行くという話になりました。

みんなに先頭を引いてもらって逃げを追って、近づいたところでマックス(・ウォーカー選手=アスタナ カザクスタン ディベロップメント チーム)がアタックした時に、河野さんが脚を使って僕を引っ張ってくれ、彼の逃げに乗せてくれました。


(兒島、(c)Tour of Japan)

ですがマックスは本当に強く、登りでアタックをかけられた時も僕は食らいつくしかできず、自分からアタックなんて全然できなくて。最後の上りでも2人ともすごく強くて、もう前に出ることすらもできずに、脚の差を感じました。

最後、後ろから集団が来ていたんですが、自分がここで諦めたら、僕のために走ってくれたチームメイトに申し訳ないという気持ちで、しっかり最後まで踏み切って、3位だけでも死守しようと頑張りました。


(兒島)

チーム全員で戦えた感じのするレースで、すごく良かったと思います。みんなで話し合いもできて、みんなの考えもまとまって、それに向けてそれぞれの走りと仕事ができたのが、すごくいい印象です」(兒島)


(河野)

兒島を前に乗せるために連携した河野。

「途中でチームで追っている時に、僕と兒島は脚を溜めさせてもらいました。前の選手が見えた瞬間に僕と兒島でアタックをかけて、逃げ切れるぐらいのペースに上げて、兒島を前に乗せました。

その後はその逃げが行き切ってくれるのを信じて待つだけだったんですが、兒島はこれまで、結構溜まっているものがあったので、今回は絶対行くと思っていました。

今日のレースでは、日本ナショナルチームというかチームブリヂストンとしての爪痕を残せたんじゃないかなと思います」(河野)


(窪木)

そして、レースを通して日本ナショナルチームのキャプテンとして、チームの司令塔となり続けた窪木。

「今回はレースっぽい感じで良かったです。自分たちは、河野と兒島を残して脚を使えましたしね。特に兒島は今回力を出せていなかったので、いい結果になりました」(窪木)

兒島が、そして河野が言ったように、今日のレースは、日本を代表するナショナルチームとしての動きを、チームブリヂストンサイクリングの選手たちが、ロード/トラックという競技を超えた脚の強さと連携力の強さを示せた1日となりました。

明日はいよいよ最終日、チームブリヂストンサイクリングがこれまで何度も勝利してきた東京ステージです。この高まったチーム力で、チームブリヂストンサイクリングの実力を、しっかりと見せるつもりです。


(早川メカ、窪木、河野、兒島)

【リザルト】ツアーオブジャパン 2024/Stage7 市制施行70周年記念 相模原ステージ 2024/5/25
1 マックス・ウォーカー (GBR)(アスタナ カザクスタン ディベロップメント チーム)2:24:45
2 アドネ・ファン・エングレン (NED)(ルージャイ インシュアランス)+0:00
3 兒島 直樹 (JPN)(日本ナショナルチーム)+0:02
45 今村駿介 (JPN)(日本ナショナルチーム)+1:12
56 窪木一茂 (JPN)(日本ナショナルチーム)+1:54
63 河野 翔輝 (JPN)(日本ナショナルチーム)+2:03
-- 山本哲央 (JPN)(日本ナショナルチーム)DNF
-- 橋本英也 (JPN)(日本ナショナルチーム)DNF


河野が逃げを決めるも勝負は最終スプリントに、しかし窪木は前を塞がれ4位に


(河野)

ツアー・オブ・ジャパン 2024/第8最終ステージ SPEEDチャンネル 東京 
日付:2024年5月26日(日)
開催地:東京都・大井埠頭周回コース
コース長:104.0km = 6.5km x 16周回

第8最終ステージ東京、大井埠頭の平坦なコースを16周回する、クリテリウムのような形態のレースです。


(C) Tour of Japan

昨年の東京ステージでは、今回と同じ参加メンバーで、窪木一茂が勝利を勝ち取っています。


(兒島、河野、窪木、今村)

太陽は照るも暑すぎないコンディション。ただ風が強く、場所によっては向かい風となります。フィニッシュラインでは追い風となるため、最終段階での位置取りが勝負となるでしょう。

レースの中盤まで集団の前方では、主導権を握りたいチームの選手たちが何度もアタックを仕掛けますが、なかなか逃げを決めるまでにはいたりません。

残り6周の時点で、スプリント賞周回の後に少し速度の緩んだ集団の中から、河野翔輝を含む7名の選手が飛び出します。

そこから残り4周回を切るまで、後方集団との時間差30秒ほどで逃げ続けます。この8人の逃げには1人ずつチームが入っているので、集団もなかなかペースを上げることができません。

そしてラスト2周、先行する8人のペースがなかなか上がらない中で、河野は自ら勝機を作るため、もう1人の選手と逃げ出すことを決め、実行します。


(河野)

「2回目のスプリントポイントまで逃げは決まらないというのを予想していたので、その辺りの逃げが決まると見ていました。

逃げた8名の逃げは、逃げ切りがいけそうなメンバーだったんですが、ラスト5周で協力できない様子が見受けられたんで、僕とブリッジレーンの(サミュエル・)ジェンナ選手人と2人で抜け出しました。

ただ、彼が強すぎて、僕がついていくので精一杯でした。その後、集団に戻って彼と話ができたのも含めて、個人的には良かったレースだとは思いますが、チームで勝てなかったことが悔やまれます。
」(河野)

河野の攻めもそこまで、最終周回までに河野は一旦後方に戻ります。日本ナショナルチームはフィニッシュスプリントに向けて一つにまとまり、河野を先頭に、兒島、今村、窪木という、昨年と同じ布陣で最終勝利へと向かいます。


(今村)

うまく先頭をキープした日本ナショナルチーム、河野の先行から抜けた兒島が集団の先頭として最後の500mに入っていきます。その後ろに今村がつきますが、他チームの立ち回りも激しく、なかなかトレインを組めません。

その中で今村の後ろから狙った窪木。最終コーナーでうまく前に出られず、スプリントで伸びましたが前を塞がれ、結果4位でのフィニッシュ。悔しい結果となりました。


(窪木)

フィニッシュ後の、選手たちの声をまとめます。


(窪木)

「前にいた選手とポジションを上げて、最終からひとつ前のコーナーは前にいられました。ただその後、他の選手が上がってきて入り混じり、僕は早めにスプリントしたんですが、向かい風の中で伸びなかったです。そのまま行くところがなくなって4番手でのフィニッシュでした。

怪我を恐れてスプリントしないとか、怪我を恐れてコーナー突っ込まないとかはなかったんですが、力を出し切れなかったですね。今年は悔いの残るTOJになりました」(窪木)


(今村)

「序盤は逃げに乗るという話だったんで、自分でも何度か挑戦したんですが、平坦なコースでなかなか決まりませんでした。

1時間くらい走った後で、フィニッシュに備えようとしたところで、河野が逃げてくれたので、最後に向けた位置取りを考えました。ですが7日間の疲労もあって、なかなか最後みんなナーバスな中で脚を使ったので、最後はうまく連携が取れなかったです。

ただ、エンデュランスを強化するというイメージで臨んだ大会でもありました。8日間を怪我なく全力で走りきれたことが、その大きな結果であると思います」(今村)


(兒島)

「最後はスプリントするために、河野さんが前に出てくれて4人でまとまってたんですけど、一度4人がバラバラになってしまって。

最終コーナー前の直線で、なんとか前の方で4人が集まりました。最後スプリントに向けて一番前でコーナーを曲がれて、上手くいってたんですけど、他のチームが強くて、スプリントで負けたという感じです。去年ほど上手くはいかなかったのが悔しいです。

今年はほぼ初日に落車してしまい、ボロボロになったキツい状態で、モチベーションもちょっと下がった部分もあったんですけど、相模原では、うまく逃げに乗れて3位の結果を残せました。この8日間を通して、得るものは多かったと思います」(兒島)


(河野)

「直前に出場が決まったレースで、そこまで用意ができてはいませんでしたが、ここまでのトレーニングがうまくいっているのを証明できたレースだと思います。今年は全日本選手権に向けてがんばっているので、このTOJがいい刺激、高強度のトレーニングになったと考えています」(河野)


昨年のように、最終東京ステージでの有終の美を飾ることはできませんでしたが、日本ナショナルチームとして、各ステージで上位に食い込んだチームブリヂストンサイクリング選手たち。観戦してくれた方々の記憶に残る走りをできたと信じています。

これから、8月のパリでのメダル獲得に向けて、さらに走り続けるチームブリヂストンサイクリング選手たちに、引き続き、熱い応援をよろしくお願いいたします。


(応援いただいた皆様と。前列左から内田チームドクター、宮﨑監督、窪木、今村、河野、兒島、早川メカ、奥住マッサー)

【リザルト】ツアーオブジャパン 2024/Stage8 SPEEDチャンネル東京ステージ 2024/5/26
1 マッテオ・マルチェッリ (ITA)(JCL TEAM UKYO)2:14:11
2 リース・ブリットン (GBR)(セント パイラン)+0:00
3 岡本 隼 (JPN)(愛三工業レーシングチーム)+0:00
4 窪木 一茂 (JPN)(日本ナショナルチーム)+0:00
24 今村 駿介(JPN)(日本ナショナルチーム)+0:00
36 兒島 直樹(JPN)(日本ナショナルチーム)+0:00
74 河野 翔輝(JPN)(日本ナショナルチーム)+0:57

*ツアー・オブ・ジャパン2024 総合順位
1 ジョバンニ・カルボーニ (ITA)18:55:45
46 今村 駿介(JPN) +0:35:00
51 河野 翔輝(JPN) +0:43:16
65 兒島 直樹(JPN) +0:54:19
68 窪木一茂(JPN) +0:57:40

*ツアー・オブ・ジャパン2024 チーム順位
1 チーム ブリッジレーン 57:00:53
14 日本ナショナルチーム +1:15:28

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