【2023世界選トラックDay06】ポイントレース出場の兒島、積極的な走りで健闘7位に】

【2023世界選トラックDay06】ポイントレース出場の兒島、積極的な走りで健闘、7位に】

8月3日より9日まで開催された2023年世界選手権トラック、その最終日に行われたポイントレースに兒島直樹が出場し、7位を獲得しました。「とてもいい経験になりました」とは本人の弁。

兒島の今年最大の目標が、このレースでメダルを取ること

7日間にわたって行われてきた2023世界選トラックの最終日。
この世界選ポイントレースでのメダル獲得を心に決めてきた兒島にとって、この日はまさにその本番の日です。
初日と2日目にあったチームパシュートの走りから、まるまる1週間を開けての個人種目参戦となりました。

ポイントレースは、10周に1回のポイント周回で4位までの着順で得られるポイントの合計を競います。
1位が5ポイント、2位が3ポイント、3位が2ポイントで、4位が1ポイント。ラップを取ると一挙に20ポイント加算されます。

後半に入り果敢な攻め、なんとかメダルを狙える位置に

総周回は全160周。世界選手権だけあって、序盤から速い速度で進みます。
兒島は集団の中盤付近でチャンスを伺いますが、その速度に攻めあぐねます。

兒島の走りの特徴は、キレのいい加速とチャンスを逃さない嗅覚。
それを活かしてレース中盤に、ラップを取りに向かう数人グループを逃さず合流。
その集団は数周かけて集団を周回遅れにし、兒島はここで20ポイントを獲得。
0点の最後尾から一気に一桁順位へと躍り出ます。

80周を過ぎて後半に入ったあたりから、兒島の動きが機敏に。
チャンスを狙って、何度もアタックを仕掛ける攻めの姿勢が明確になりました。

ラップを取りに行く動きの中で兒島は一度2位ポイントを獲得。さらにその流れのままラップして20ポイントを獲得し、メダルを狙えるギリギリの順位と位置に喰らいつきます。

自ら飛び出してチャンスを広げようとする兒島の動きは、失敗もありますが、勝機を引き寄せようとチャレンジする気持ちが外からでも見て取れます。

その動きの中で終盤にまたラップを獲得します。しかしメダル圏内にいる選手たちも兒島と同じグループでラップ、さらにポイント周回でのスプリントで加速し上位ポイントを積み上げ、兒島との点差を開きます。このちょっとした速度差で、兒島はメダル圏内に手が届きません。

「一瞬の判断の差が、大きな差になってしまいました」

ラスト3周で、兒島は最後にまた自ら仕掛けるかのように速度を上げます。最終周回の倍ポイントを取ろうという気迫でしたが叶わず、7位という結果に。

トップ5の選手たちは確かに早く、戦略も巧みでした。しかしその選手たちに負けないという気迫、最後まで諦めずにメダルに挑んだ兒島の姿勢は、見るものを熱くする戦いでした。

「この1年、世界選手権のポイントレースでメダルを取るのを目標にしてきましたが、結果7位で悔しいです。まだ世界との差があるのを実感しました。

根本的に脚が足りないというのもあります。レース中に後手に回ったのが後々響きました。

本当に0.5秒ためらうと、脚を使わなくてはいけない差になってしまいます。
その一瞬の判断を迷いなくできるよう、もっとアグレッシブなレースをしていきたいと思いました。

この世界選でメダルを取れるだけの努力をしてきたつもりでしたが、そのレベルには達していませんでした。これからは、今まで以上の高い意識を持ってトレーニングしていきます」

初めての世界選手権個人種目への挑戦となったこのポイントレース。その感想を「悔しいですけれど、とてもいい経験をさせてもらい、いろいろ収穫もありました。これからにつながるレースになりました」と締め括った兒島。その勝利への姿勢は確かなもの。これからのトレーニングさらに強くなり、世界への挑戦を続けていきます。

2023世界選トラックで、パリ2024への確かな道筋を描けました


このレースで、チームブリヂストン選手の2023年世界選手権トラックへの挑戦は終わりました。念願だったメダル獲得を果たした選手、悔しさを感じた選手、それぞれいます。

しかし一つだけ確実に言えるのは、パリ2024オリンピック出場への道筋を、確かに描けた大会になったということです。

一年後となったパリ2024オリンピック。チームブリヂストンサイクリング選手は、その大舞台でのメダルを目指し、これからも走り続けます。

皆さまの熱い応援が、選手の走りへの力強い後押しとなります。
これからもチームブリヂストン選手を、よろしくお願いいたします。


【2023世界選手権トラック 8/9 リザルト】
ポイントレース
1 GATE Aaron(ニュージーランド) 123pts
2 TORRES BARCELO Albert(スペイン) 107pts
3 van den BOSSCHE Fabio(ベルギー) 95pts
4 兒島直樹(日本)63pts

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