チームブリヂストンサイクリングが7種目制覇!【全日本選手権トラック詳報】

皆さん、こんにちは。暑かった夏も終わりに差し掛かり、8月26日〜29日にはトラック競技の全日本選手権が行われました。今回もチームブリヂストンサイクリング が圧倒的な強さを見せつけ、中距離種目では7種目全てで優勝を果たしました。ナショナルチームで常に練習を共にしているメンバーのチーム内での白熱した戦いに目が離せない展開が続きましたね。Day3では、ブリヂストングループで働かれている皆さま・ご家族、総勢約80名の大応援団ツアーなど、嬉しいイベントも催された思い出深い大会となりました。

いつも応援いただいている皆さま、会場やYoutubeの中継から沢山の応援を本当にありがとうございました。それでは激戦の4日間を振り返ります。

第91回全日本自転車競技選手権大会(トラックーエリート・ジュニア、パラサイクリング)

日時:8月26日(金)〜8月29日(月)
場所:静岡県伊豆市 伊豆ベロドローム
出場選手:窪木一茂、橋本英也、今村駿介、山本哲央、河野翔輝、兒島直樹、松田祥位、脇本雄太、太田りゆ、新山響平
詳細:https://jcf.or.jp/events/%E7%AC%AC91%E5%9B%9E%E5%85%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%87%AA%E8%BB%A2%E8%BB%8A%E7%AB%B6%E6%8A%80%E9%81%B8%E6%89%8B%E6%A8%A9%E5%A4%A7%E4%BC%9A%EF%BC%88%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB-2/?category=track

8月26日(金)Day 1

LIVE配信: 【にじいろ競輪TV 特別版】2022全日本トラック(第91回全日本自転車競技選手権大会トラック エリート・ジュニア・パラサイクリング)初日~2022.8.26

■チームパシュート

出場選手:松田、窪木、今村、兒島(チームブリヂストンサイクリングA)、新山、河野、橋本、山本(チームブリヂストンサイクリングB)

大会1種目目は、パリ2024オリンピックでもチームでの出場が期待されるチームパシュート。予選を通過し、決勝はチームブリヂストンサイクリング Aチームvsチームブリヂストンサイクリング Bチームでの戦いとなりました。

Aチームは松田、窪木、今村、兒島のアジアチャンピオンメンバー。

Bチームは新山、河野、橋本、山本の4名。一走の新山選手はご存じの通り短距離選手であり競輪選手という異例のチーム編成。新山選手が最初の1kmを牽き切ったタイミングで離脱し、そのスピードを維持して残りを三人で先頭交代しながら4kmを走るという戦略。4人での練習はなく、前日練習では新山選手が1km/4周の感覚を掴むに止まったため実質ぶっつけ本番だったそう。

決勝戦、新山選手のスピード力もあり、前半はBチームがリードする展開。新山選手が離脱し、残り2km辺りからAチームがBチームを追い上げリードを奪い、どんどん差を広げていく。AチームがBチームを視界に捕らえ、大会記録更新の3分53秒877でフィニッシュ。

<リザルト>

1位 チームブリヂストンサイクリング A 3分53秒877

2位 チームブリヂストンサイクリング B 3分59秒998

窪木選手「今週調子が悪かったこともあり、チームのメンバーに迷惑をかけてしまった部分があったので(勝てたことは)3人に感謝しています。次の世界選手権ではみんなの分まで走れるようにがんばります。」

今村選手「もっとタイムを出せるかなとは思っていましたが、現状の実力が分かったので(ひとまず)良かったかなと思います。」

兒島選手「チームパシュートのトレーニングをあまり積んでいない今の現状からしたら自分達の持てる力を出せたベストだったのではないかなと思います。最後しっかり(スピードを)上げられたので調子も良かったと思います。」

松田選手「楽しかったです。今日はギアも抑え目で行きましたし、練習が出来ていなかった中ですが、アジア選よりも感覚は良いです。9月からチームパシュートの練習も始まっていくのでもっと速くなりたいですし、楽しみです。3分50秒を切らないと話にならないと思うので頑張ります。」

新山選手「僕は1km走って早々にいなくなるので3人に任せてという感じでした。決勝では力みすぎて少しペースを上げすぎてしまったので三人に迷惑をかけてしまいましたが、ジュニアの頃にはえいちゃん(橋本選手)とも走ったことがあったりと久しぶりのチームパシュートは楽しかったです。」

河野選手「競輪選手の新山響平選手と一緒に走るのでワクワクしながら走りました。楽しかったです。」

橋本選手「初めてのメンバーですごく楽しかったです。新山とは10年前にアジア選手権のタイでジュニアの時にチームパシュートを一緒に走っている仲なので懐かしかったです。タイムも4分切ることを目標にしていたので、達成できてよかったです。」

山本選手「初めてのチームだったので不安もあったのですが割とまともに走れたので良かったと思います。タイムも、3分57-58秒位を目標にしていて、今日のタイムからも現実的なタイムだったので御の字かなと思います。Aチームはエンジンがあるので速いですね、力の差を感じました。」

■女子エリートチームスプリント

出場選手: 太田りゆ、佐藤水菜、梅川風子

チーブリヂストンサイクリング所属の太田選手+楽天Kドリームスの佐藤選手、梅川選手の三人で出場したエキシビションレース。48.721を記録し大会記録を更新。同メンバーの保持する日本記録(48.612)にあと0.1秒まで迫りました。

太田選手「日本記録の更新を目指していて、ここ数日でギアを変えたりなどもあった中で日本記録に近い記録が出たので、改善点はありますが悪くない結果だったかなと思います。」

■男子エリートエリミネーション

出場選手: 窪木一茂、橋本英也、今村駿介

出走者は6名。窪木選手が初回に除外され、一人ずつ人数を減らしていく。最後は橋本選手と今村選手の一騎討ちとなり、今村選手先行で展開される。競輪で培ったスプリント力を駆使して橋本選手が強烈な加速で追い抜きゴール。

橋本選手「不調が続いていたので久しぶりに勝つことができて感無量です。1レース目に優勝できて良い刺激になりました。今村も脚があるので、のこのこ抜かすと抜かし返されるのでケイリンのバン!という加速が活きました。競輪のおかげですね。」

今村選手「めちゃめちゃ悔しいです。自分が先行する展開にしてしまって、僕もキレがなかったのでやられたなという感じでした。」

<リザルト>

1位 橋本英也

2位 今村駿介

6位 窪木一茂

8月27日(土)Day2

LIVE配信: 【にじいろ競輪TV 特別版】2022全日本トラック(第91回全日本自転車競技選手権大会トラック エリート・ジュニア・パラサイクリング)2日目~2022.8.27

■男子エリートスクラッチ

出場選手:山本哲央、河野翔輝、今村駿介、窪木一茂、橋本英也

集団一つで淡々と先頭交替を行いながら進行される。レースが動いたのはラスト10周回目、河野翔輝選手が単独でアタック。単独で抜け出し残り3周の時点で半周ほどの差に。窪木選手を先頭に集団も追いかけますが河野選手がそのままゴール。エリートカテゴリーで自身初の全日本タイトルを獲得しました。

河野選手「まだ優勝したという実感はないです。ラスト3周の時は勝てたかなと思いましたが、最終周回の追い上げがすごかったのでゴールラインを切るまでは安心できなかったのですが、ようやく全日本タイトルを取ることができて一安心しています。このメンバーでの練習は普段からやっているのでそれぞれの特性は感覚的に分かっていました。僕がいくならラスト10周を切ってからだと思っていたので、うまく作戦がはまって優勝できて嬉しいです。」

<リザルト>

1位 河野翔輝

2位 窪木一茂

3位 今村駿介

9位 山本哲央

11位 橋本英也

■女子エリートスプリント 

出場選手:太田りゆ

太田選手は予選の200mタイムトライアルでは、大会記録を更新する10.826で2位通過。準決勝で梅川選手が2本を先取され、久米選手との3-4位決定戦では2本を先取し3位を獲得しました。

<リザルト>

3位 太田りゆ

■男子エリートスプリント 

出場選手:新山響平、脇本雄太

新山響平選手は1/8決勝にて対戦相手の山﨑選手と1本ずつ取り、3本目まで進みますが3本目を山崎選手が取り6位。脇本雄太選手は1/8決勝にて小原選手に2本選手され、7位となりました。

<リザルト>

6位 新山響平 

7位 脇本雄太

■男子エリートマディソン

出場選手:

窪木一茂&今村駿介(チームブリヂストンサイクリング A)

橋本英也&兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング B)

山本哲央&河野翔輝(チームブリヂストンサイクリング C)

松田祥位&谷内健太(チームHPCJC)

窪木&今村ペアのAチームは全てのポイント周回を一位で通過し着実にポイントを重ねていく。2位を取り続けているBチームとも毎回の2ポイント差が響き、2倍までポイント差が膨らみます。Aチームはそのまま最後まで全てのポイント周回で1位を獲得し、完全勝利を納めました。

窪木選手「他のメンバーも強いことは分かっていたので見られているほどの余裕はなかったですが、優勝目指して走っていたので今村選手と優勝できて良かったと思います。」

今村選手「国内のレースでは負けられないので、疲労も感じていましたが1日1日を全力で走ることが大事だと思っているので最後まで追い込みました。」

<リザルト>

1位 窪木一茂&今村駿介(チームブリヂストンサイクリング A)

2位 橋本英也&兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング B)

3位 松田祥位&谷内健太(チームHPCJC)

4位 山本哲央&河野翔輝(チームブリヂストンサイクリング C)

8月28日 Day3

LIVE配信: 【にじいろ競輪TV 特別版】2022全日本トラック(第91回全日本自転車競技選手権大会トラック エリート・ジュニア・パラサイクリング)3日目~2022.8.28

■男子エリートオムニアム

1種目目:スクラッチ

1種目目のスクラッチは10kmを走り、その着順を競うシンプルなルール。前半は牽制をし合いながら周回をこなしていきます。残り8周で松田選手、山本選手が先行。集団が山本選手を吸収し、カウンターで松田選手が単独先行し残り5周回を逃げ切り1位でゴール。

2種目目:ポイントレース

10kmのうち毎周回を1位で通過した選手に1ポイントが与えられ、最終的なポイント元に順位が決まり、1位から順に40ポイントが付与されます。序盤に河野、松田、山本の3名がローテーションを回しながらポイントを獲得していく。中盤で今村選手が単独で抜け出し4ポイントを獲得。

レースが折り返すと橋本選手がアタックし単独先行し15ポイント+ラップポイント20ポイントを獲得し断トツの一位を獲得。橋本選手がラップをし先頭が変わることを見越して先行していた松田選手が前半のポイントに加え3ポイントを獲得し2位でこの種目を終えました。

3種目目:エリミネーション

2周に1回、椅子取りゲームの様に最後尾の選手が除外されるエリミネーション。残り5人で松田選手、兒島直樹選手、今村選手が順に除外され、橋本選手との一騎討ちを制したのは窪木選手。

3種目を終えての順位は112ポイントで橋本選手、2ポイント差ずつで松田選手、今村選手が続く形。

最終種目:ポイントレース

10周に1回のポイント獲得周回の1位〜4位にそれぞれ5・3・2・1ポイントが与えられ、ゴール時にはダブルポイントが加算されます。

暫定1位の橋本選手は体調が優れなかった影響もあり、周回遅れでランキングを落とします。ポイントリーダーは今村選手に移り、松田選手、窪木選手が続く。激しいポイント争いでゴール前最後のポイント周回を終えて今村選手と窪木選手が2ポイント差で優勝を争う形に。

倍得点となる最終周回では3人横並びになった今村選手、窪木選手、松田選手。窪木選手がゴールスプリントを制し、逆転勝利。

窪木選手「最後は2ポイント差という僅差で、計算しながら走りましたが今村選手も脚があって本当に強かったので勝てて良かったです。」

今村選手「最初から気持ち負けしていた気もするのでもっと気合い入れて走らないとやっぱり負けた時に悔しいですね。負けちゃったのでこの悔しい気持ちをバネに明日以降も頑張ります。」

松田選手「いつもはどう戦っていいかもわからなかったのですが、最初の2種目が良い感じで来たのでしっかり人を見て戦いました。トラックレースの中では、今まで自転車をやってきた中で一番良いレースだったのではないかなと思います。」

橋本選手「体調がそこまで良くなくて、これは無理だなあと...。3種目目までは調子が良かったのですが、最後は体力が残っていなかったので(今回の結果は)しょうがないです。明日は個人パシュートだけなので、しっかり休みます。」

(Photo: Mera Yuki)

■ケイリン

女子エリートケイリン

出場選手:太田りゆ

梅川選手、佐藤選手、久米選手、太田選手の順で最終周回を通過。ラストで太田選手がペダルを踏み込み上がってきますが、佐藤選手・梅川選手に及ばず3位。

<リザルト>

3位 太田りゆ

男子エリートケイリン

第一回戦は1組に脇本選手、2組に新山選手がそれぞれ出場。脇本選手は3位、新山選手は1位で予選を通過し決勝進出。決勝では、新山、脇本は5・6番手で最終周回へ。先行した山﨑選手を後ろにぴったりとついた中野選手が差し、優勝。チームブリヂストンサイクリング の2人は勝負に絡めず5位、6位でレースを終えました。

<リザルト>

5位 新山響平

6位 脇本雄太

8月29日 Day4

LIVE配信: 【にじいろ競輪TV 特別版】2022全日本トラック(第91回全日本自転車競技選手権大会トラック エリート・ジュニア・パラサイクリング)4日目~2022.8.29

■4km個人パシュート

出場選手:窪木一茂、橋本英也、今村駿介、山本哲央、兒島直樹、松田祥位

予選のタイムを基準に上位4人が決勝、3-4位決定戦に進みます。予選タイムは大会初日から、個人パシュートでの日本記録更新を目標にしていると宣言していた窪木選手が4分14秒465を記録し1位で通過。2位は4分16秒985を記録した今村駿介選手。4分20秒805で橋本英也選手が続きます。

決勝は窪木選手vs今村選手。序盤から窪木選手が大きくリードする展開。そのまま差を広げながら今村選手を射程圏内に捉え、フィニッシュ。予選で更新した自身の日本新記録をさらに更新する4分13秒297のタイムを叩き出しました。

3-4位決定戦は橋本選手vs大仲選手(早稲田大学)

序盤から積極的な走りの大仲選手が前半をリード。大仲選手のスピードが落ちてくると、冷静に同じペースをキープしていた橋本選手が逆転し追い抜き勝ちし3位を獲得しました。



<リザルト>

1位 窪木一茂 4分13秒297

2位 今村駿介 4分21秒545

3位 橋本英也 追い抜き勝ち

5位 兒島直樹 4分26秒062

6位 山本哲央 4分26秒257

7位 松田祥位 4分26秒631

■500mタイムトライアル

太田選手が大会記録を更新するタイム35秒149で3位。

<リザルト>

3位 太田りゆ 35秒149

■1kmタイムトライアル

新山響平選手は1位の小原選手に0.193差で銀メダルを獲得。

<リザルト>

2位 新山響平 1分01秒498

■ポイントレース

全日本選手権最終種目のポイントレース。序盤から兒島選手がほとんどのポイント周回で1着を取り切りポイントを重ねます。これに対して今村選手、窪木選手も追い上げを図りアタックのタイミングを伺いますが、兒島選手は冷静に二人をマークしながら1位を着実に取りポイント差を広げます。兒島選手の優勝が確定し、僅差のポイントで窪木選手との2位争いを制したのは今村選手。

<リザルト>

1位 兒島直樹

2位 今村駿介

3位 窪木一茂

5位 河野翔輝

前日のオムニアム終了後は悔しさを語っていた兒島選手が最終種目で優勝。全日本タイトルを獲得し4日間の戦いを終えました。

皆さま、4日間たくさんの応援を本当に有難うございました!

選手にとっても皆様からの応援を肌で感じられるレースとなったことと思います。9月はツールド北海道や実業団のレースが続き、10月には世界選手権が控えています。

引き続き、ご声援の程よろしくお願いいたします。

Text : Lynn Watanabe Photo: Satoru Kato, TEAM BRIDGESTONE Cycling

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