【遠征密着取材】播磨ロードレース詳報

皆さんこんにちは。

今回は、チームの拠点がある三島からチームに帯同して播磨中央公園ロードレースの遠征を密着取材しました。

普段皆さんから見えているレースでの一面だけでなく移動、機材のメンテナンスや補給食の準備などレースの裏側で何が起こっているのか、チームの内側を一般人視点でご紹介します。


私は自転車競技の経験がないので全てが新しく、選手や監督、メカの一挙一動や自転車あるあるに興味津々です。

3月26日から27日にかけての1泊2日の遠征を時系列で振り返ります。

◆DAY1 3月26日(土)移動日&販売店訪問&アップ

5:30 宮崎監督クラブハウス入り(プロテイン、シェイカー、VAAMやピットイン、ボトル、販売店訪問用グッズなどの積み込み)

6:30 早川メカニッククラブハウス入り(機材や道具、テントなどの積み込み)

今回は6名の選手が出場するため、代車を含めると自転車だけでもかなりの台数に。大切な自転車を衝撃から守るため毛布で包んでいます。

6:40~7:00 選手が集まり始める

7:00 出発

今回の遠征先は兵庫県播磨市で、三島から走行距離約500km、所要時間約6時間と距離があるため朝早くの出発。(当日は河野選手の22歳のお誕生日でした!ぱちぱち)

メカ車に早川メカと徳田選手、チームカーに監督、沢田選手、松田選手、山本選手、河野選手と二手に分かれて出発しました。

今回のレース、エースを任されているのは松田祥位選手と山本哲央選手の2人。宮崎監督から用意されたプランは、①沢田選手が松田選手を連れて逃げ、逃げ切りで松田選手のスプリントで勝利、②逃げが吸収された場合、山本選手のスプリントで勝利、の2パターン。

チームブリヂストンサイクリングではレース毎に2週間前と早めのタイミングから監督のプランをテキストベースで選手に共有し、当日までのイメージをしっかりと持たせた状態でレースに臨みます。

移動中の車内ではそれぞれのアイデアや展開についての話でレースのイメージを膨らませました。
普段は適度にくだけて楽しい雰囲気ですが、自転車の話になると真面目になるのがこのチームの良さだなと思います。

12:00 販売店訪問先のベックオンさんに到着

遠征先に向かう前に、大阪市内にあるベックオンさんにお邪魔させていただきました。(販売店訪問については別途ブログで紹介いたします)

新型RP9についてや、今回の播磨レースについてなどのお話、選手のサイン入りグッズのプレゼントなどが行われました。

自転車業界は狭い業界で、レースの現場や自転車ショップのスタッフさんが元チームメイトや高校生の時から戦ってきた相手であったりするためみんながみんな顔見知りで、すぐ打ち解けている印象がありなんだか羨ましいです。

14:30 ホテルに到着

ベックオンさんを後にし、ホテルへ到着。ルーフテントを広げてスペースを確保します。

15:00

昼食を取った後明日のレースに備えてアップを開始。この日は雨が激しかったため外には出ず、全員がローラーに乗りました。

ローラーに乗る時間や強度の目安は選手それぞれ。
河野選手: 感覚で乗る時間などを決めている
山本選手: パワーTSSが50になるまで

と教えてくれました。

17:00 メカの機材点検&メンテナンス / 監督のスーパーへの買い出し

早川メカニックは、ローラー後の選手の自転車の最終チェックを行います。

一方監督はスーパーに買い出しへ。補給食用のどら焼きや、選手それぞれからのリクエストの夜食を購入しました。

<リクエストがあったもの>

松田選手: どら焼き
橋本選手: 明治ブルガリアヨーグルト、オレンジ

18:00 夕食

近くのレストランで食事。レースに備え、栄養バランスよくしっかりと食べていました。

19:00 チームミーティング

次の日のレースに向けて天候やコースレイアウトも加味してアタックのタイミングなど最終的なプランの共有、戦略についてミーティング。選手6人それぞれの役割をもう一度明確にしました。

19:30 補給食のジャムパン作り

レースで大量のカロリーを消費するため、すぐに糖質を補給できるジャムパンは自転車選手の補給食の定番。

パンを切ってくり抜き、ジャムを詰めてくり抜いたパンで蓋をします。監督に教えていただきながら私も作ってみました。

ジャムは爽やかめな柑橘系か、ごろっとした果実のものが人気だそう。

ポイントは包み方で、片手でも開けやすい且つ形は崩れないこと。キッチンペーパーで包むため、フィードゾーンで捨てやすいという利点もあります。慣れた手つきの監督が20個包む間に私はなんとか5個..。

少し慣れてきたところでどら焼きも包み終わり、補給食の準備は完了です。

(味見させてもらいましたが、甘すぎかと思いきやオレンジの甘酸っぱさでくどすぎず美味しかったです。)

夜食や寝る前用のSAVASプロテインを選手に届け、ここで一日目は終わりです。



◆DAY2 3月27日(日)レース当日&帰宅

8:30 早川メカは機材の準備のため一足先にレース会場へ。

9:00 ボトル作り

前日に降った雨とは一転してカンカン照りの空模様。気温もあったためボトルも多めに準備しました。

黒いキャップがスポーツドリンク(VAAMスマートフィット)、白いキャップが水。

これは宮崎監督のこだわりポイントで、レース中に選手が遠目からどちらのボトルか判別できたり、フィードゾーンで渡すときにもパッと区別できるため便利です。こうした一工夫がレース時など一刻を争うタイミングでとても重宝します。

9:30 レース会場へ出発

10:00 会場に到着

試走まで少し時間があるため、談笑中。

11:30 検車

11:45 試走

試走でコースの確認を行い、実際に乗ってみて機材の不具合がないかも確かめます。

12:30

背中のポケットにピットインジェルなどを入れレースに備えます。

12:40 選手はスタート地点へ移動 / 監督、メカはフィードゾーンへ移動

代車や補給ボトルなどをフィードゾーンまで運びます。

12:45 いよいよレーススタート!

監督はフィードゾーンから無線を使って選手に指示を出します。

レース開始すぐから逃げ集団が発生。反応が遅れてしまい、BSからは沢田選手のみ逃げに乗ります。

逃げに三人乗せているマトリックスがペースアップを図り集団とのタイム差がみるみる開いてしまいます。松田選手を逃げに乗せられなかったことはBSの誤算でした。

巻き返しを図るため、エースの松田選手と山本選手を温存し橋本選手、徳田選手、河野選手が全開で集団を牽引します。

この猛烈な牽引により集団は木端みじんに破壊されます。逃げ集団を捉えますがあと一歩のところで追いつくことができません。

この牽引で仕事を全うした3人を失い、残るカードは松田選手と山本選手。そして逃げに乗る沢田選手。

逃げ集団も6人へと人数を減らします。

6人中3人を逃げに乗せているマトリックスからの抜け出しアタックは予想されたので監督の無線で何度も警戒を伝え、沢田時選手も常にチェックに当たります。

しかしそれまで脚を使い続けていた沢田選手、残り3周で小林選手・キンテロ選手のアタックに振り切られてしまいます。このまま優勝争いは2人の独壇場へ。

ここで松田選手が3位を目指し追走に出ます。直前の落車トラブルを感じさせない力強い走り。松田選手は食らいつきますが、一緒に追走に出たマンセボ選手がそのまま独走し沢田選手を含む後方逃げメンバーも振り切り3位。

レース後歩けなくなるほど最後まで力を尽くした沢田選手は7位。

そして8位に山本選手、10位で松田選手がゴールしました。

思い描いていたものとは異なる結果になってしまいましたが、これがロードレース。シナリオ通りとはいかない中で、エースを勝たせるために力走する姿やプレッシャーを背負いながらも最後まで諦めない姿に間近で見ていて胸を打たれました。

レース後にはお互いを讃えあい、反省点や今後に向けての改善点についての意見が自然と交わされていました。今回の学びを生かして更に強くなっていく選手たちを見るのが私もとても楽しみです。

宮崎監督「最初の逃げに乗り遅れてしまったというミスはありましたが、そこで終わらせてしまうのではなく全員が最後まで全力を尽くして戦ったという点ではこのチームの走りを見せることが出来たと思います。今回の反省を生かして次のレースも頑張ります。」

【第2回播磨中央公園ロードレースDAY2】

日時:3月27日(日)

場所:兵庫県立播磨中央公園

距離: 7km×20周(=140km)

出場選手: 徳田優、橋本英也、山本哲央、河野翔輝、沢田時、松田祥位

大会詳細: https://jbcfroad.jp/race/178/

<リザルト>

7位 沢田時

8位/U-23ネクストリーダージャージ 山本哲央

10位 松田祥位

今回の取材を通して、選手のパフォーマンスを上げるため、そしてレース時の急なトラブルにも対応するために裏で沢山動いている監督・メカニックなどサポートスタッフの存在の大きさも実感しました。

こうしたレースの裏側や、普段の選手の様子などもこれからご紹介していきたいと思いますので、是非ブログやインスタグラムのチェックをよろしくお願いいたします。

▼Instagram
https://www.instagram.com/anchor_bridgestone/

今回も、沢山の応援をありがとうございました。引き続き、ご声援をよろしくお願いします!

Text: Lynn Watanabe Photo: Satoru Kato, Lynn Watanabe



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