自転車 x 覚悟 = 太田 りゆ【2020BGT選手紹介】

TEAM BRIDGESTONE Cyclingの選手たちに、なぜ自転車に関わり、入れ込み、そして愛しているのか、その理由を聞きました。

TEAM BRIDGESTONE Cycling 【2020BGT選手紹介】

自転車 x 覚悟 = 太田 りゆ (おおた りゆ)


Riyu OHTA
トラック
1994/8/17生  埼玉県出身

*2019年 主な戦歴
18-19年 ワールドカップ第6戦 ケイリン 2位
19-20年 アジア選手権 ケイリン 5位
19-20年 ワールドカップ第1戦 ケイリン 10位
19-20年 ワールドカップ第4戦 スプリント 13位


ーーなぜ自転車に?

私は母子家庭に育ち、お金が欲しかったので、競輪選手になろうと思い、自転車経験はなかったんですが、競輪学校を受けました。自転車競技というより仕事として自転車を始めたという感じです。最初から特に自転車が好きとかっていうことではなく、本当に強くなってお金をいっぱい稼いで、という意識で始めたものでした。

2016年の1月に競輪学校(現:日本競輪選手養成所)の試験に合格しました。2月に大宮競輪場に初めて行って、師匠ができて、クリップバンド(トウクリップ)をペダルに付けることやブレーキがないということを知って、乗り方を教えてもらい、4月の研修で競輪とはみんなで周回するレースだという具体的なことを学び、競輪学校がそこから本格的に始まったという感じです。

これまでは、とんとん拍子すぎていろいろ気持ちが追いつかない面もありましたし、今目の前に起きていることを理解して、ついていかなくてはいけないという印象がありました。

その年の10月にブノア(日本ナショナルチームトラック短距離監督)が来日して、私が選ばれて自転車競技選手としての練習も始めました。12月にアジア選手権へのセレクションがあって、その時ハロン(200mフライングTT)を11.5秒で走れて。

そのまま2017年2月のアジア選手権に日本代表として出場、日本新記録も出して。3月に競輪学校を卒業して、そのまま4月にナショナルチームに合流。海外遠征に行ったりなんだりして、7月に競輪選手デビュー。そのシーズンはワールドカップに出場して、19年にはワールドカップで銀メダルを獲って、という感じで。すごくあっという間でした。


ーープロとして走り続ける理由は?

徐々に競技者として、お金だけじゃなく自分がしたいこととして競技を始めてから、楽しめるスタイルに変わったのかと思っています。選手の2年目ぐらいからです。

最初はやっぱりお金が欲しかったので、それがモチベーションでした。けれど今は、どれだけ成績が悪かったりしても、変わらず応援してくれる人がたくさんいます。特にナショナルチームのメンバーが本当にそうで。

周りの人たちに支えられているのが、競技を続ければ続けるほど身に沁みるようになってきました。応援してくれている人たちに喜んでもらえるような結果を出したいし、その人たちを裏切るような行動はしたくない。

でもブノワとは、『自分のために』がんばれるように気持ちを整えていかないと、という話も、最近したばっかりなんです。この先パリまで長いんだから、そういう面で自分を大切にしたほうがいいっていうのを。


ーー自転車の魅力は?

自転車に乗っているときは、変なこと考えずにそれにただ集中して出来るので、一心不乱という言葉がすごく合うのかなと思っています。そこが自分としては魅力です。

周りの人に自転車の魅力を伝えるならば、映像を見てもらうより、直接見てもらったほうが伝わるかなと思っています。私はトラックの選手なので、トラックの競技を生で見てもらいたいです。すごいスピード感です。

私が初めてトラック選手を見て思ったのは、想像以上のスピード。「あんなスピードで人は走れるのか」と。恐怖心がないのかなとか。

バンクのとんでもない高さから、ペラペラの服を着て、ヘルメット1つで走り降りて、そのスピードで落車するときは落車する。そういう覚悟を持った選手を近くで見てもらえるのが、すごい魅力かなと思います。落車をするのを生で見るのは衝撃的ですが、それもまた魅力の一つだと思います。

それに客席からすごく近い。手が届きそうで、音とかもすごく感じる。それはベロドロームも競輪場も同じです。走る前に絶対にヘラヘラしている選手はいないので、そういうところも見てもらえればと思います。


ーー自転車を使って成し遂げたいのは?

もともと自転車を始めたのが、家族を幸せにしたいとか、自分がいい暮らしをしたいとか、人生として考えて始めたものなので。今はパリ2024オリンピックで結果を出して、それをもとに素敵な人生にしたいという考えです。

21才で始めて、パリのときには30才になります。そういう意味では、一番活動的な人生の時間を全て費やしていると思うので。


ーーあなたにとって自転車とは?

覚悟と責任かなと思っています。

やっぱり女性なので、選手としてプロとして続けることは、選手以外の人生をそれなりにストップさせてやる覚悟を持たないとできないと思うんです。子どもが欲しかったりとか。そういうことも含めて周りの人にも頼らないとこの生活はできないし、そういった面で覚悟を決めないと、次のパリを目指すだなんて言えなかった。そういった意味での覚悟だということです。

そして責任というのは、日本代表としてやっていく以上、私の成績が監督やコーチ、チームブリヂストンの成績となっていくということへの責任です。私の成績が私だけの責任ではなく、周りの人たちの評価にもつながってくる。そういった面で責任を持ってやっていき、責任として受け入れなきゃいけないと思っています。

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