【MTB ギリシャ ステージレース】コス島S-1 沢田、平野ともにUCIポイントを獲得

MTB ギリシャ/コス島 ステージレース 沢田、平野ともにUCIポイントを獲得

(沢田、平野)


TEAM BRIDGESTONE Cycling、MTBチームのギリシャ遠征は続きます。10月17〜20日の4日間にかけて行われたステージレースに沢田時、平野星矢の2選手が参戦。総合成績で沢田時が21位、平野星矢が27位となり、UCIポイントを獲得。2020年の東京での大会出場に向け、UCIポイントを積み重ねていきます。

*10月17日(木)XCT 個人タイムトライアル 10㎞
* 18日(金)XCM クロスカントリー・マラソン 70㎞
* 19日(土)XCO クロスカントリー・オリンピック 31km
* 20日(日)XCC ショートサーキット(クリテリウム) 1.2㎞×30分+1周

小林MTB監督によるレポートです。

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古代アゴラの遺跡、エーゲ海に浮かぶ医学発祥の島といわれるコス島。ギリシャのステージレース第2週目、KOS UCI S-1。
結果、チームはギリシャでの全ステージを走り抜き、最終日に総合順位を引き上げ、沢田選手が21位、平野選手が27位となり、UCIポイントの獲得に成功した。



(沢田)

チームはサラミナ島でのレースを終えた翌日にはコス島に渡り、疲労からの回復に努めた。試走も最小限。選手も短い休息ながらマッサージ等でリラックスし、サラミナより更に強力なライバルが増えるだろうこのレースに備えた。

このレースがオリンピック出場に大きく影響してくるため国、そして選手たちの参加数は増え、前週に増して選手層は厚く強烈になった。スイス、フランス、イタリア、ドイツ、UKなどの強豪国からは、プレオリンピックで静岡にいたメンバーが大勢この島に入った。昨年とはまるで別物の高いレベルと参加数。主催者側も昨年のラップが当てにならず、選手のレベルアップに合わせた運営が必要になり連日打ち合せを行っていたほどだ。



(平野)


リニューアルされたコースは非常にラフで、XCTの後半はガレた超高速ダウンヒルになること、XCMでは獲得標高が2000m超とかなり大きいこと、XCOではパスポイントがかなり限定されること、XCCは狭いアーバンクリテリウムでタイム差が付き難いこと、など容易にUCIポイントを獲得できるレースではない。

しかし、チームの使命は変わらない。オリンピック出場を果たすため、このレースに成功しなければならない。チームはバイクを可能な限りリフレッシュ(ハブベアリング、フリーボディまで分解)し、複数のフィードから最適なゾーンを打合せ、可能な限りの準備を行った。選手も抜けきれない疲労や負っているケガを24時間中リカバリーする努力を続けてレースに臨んだ。



(沢田)


ーーー10月17日(木)15:00 XCT(タイムトライアル)10㎞
 沢田34位、平野37位、トップとのタイム差を予定通りに

1分間隔での個人TTがスタート。オフィシャルホテルがスタート・フィニッシュ会場となっている。コースは50%上って50%下るシンプルなレイアウト。当日は風が強く、明らかにパワーライド向き。ダウンヒルは自然加速を許すとかなり危険な路面。

我々にとっては不利な種目であるので、大きなミスを起こさず、トップと2分差程度に収めるクレバーな走りを要求。沢田選手34位、平野選手37位と一見芳しくない順位に見えるが、トップとのタイム差を予定通りの範囲に収めてフィニッシュ。チームプラン通りの初日を迎えた。



ーーー10月18日(金)13:00 XCM(マラソン)70km = ニュートラル10km+60㎞
沢田21位、平野28位、序盤トラブルで最後尾から追い上げ

このマラソンでのタイム差がステージ総合に大きく影響する。長距離のため各選手はシーラント(パンク修理剤)の増量、高圧ボンベや替チューブをバイクに装着し、XCOとは異なる重装備となる。テクニカルフィードでは、スペアホイールだけでなく、張替用のタイヤ単体やバイク1台分のアッセンブリパーツを持ち込むチームも少なくない。

序盤は、10㎞におよぶ街中のニュートラル走行を終えてのリアルスタート。ここでトラブルが起きる。沢田選手が一気に加速した集団の膨らみで荒れたコース脇に押し出され、バイクを正面から異物に衝突させてストップ。男女の大集団の最後尾になり、35位と大きく遅れてしまう。平野選手もバイクに乗れない押しの渋滞に巻き込まれて34位通過。先頭はアルカンシェルライダーを含む7名のパックがマラソンとは思えないハイスピードで展開。

中盤、沢田選手32位、平野選手33位。序盤から飛び出したライダーがペースダウンする中で、先頭は単独で抜けたマラソン世界チャンピオン。チーム2選手は、乱れる前後のライバルの中で落ち着いて前の選手を捉え続ける。

終盤、沢田選手が強烈なプッシュで25位に浮上。ワールドライダーすらキャンセルする程の厳しい展開の中でポジティブだ。平野選手はまだ大胆なダンシングができないが、マイペースで自分の走りを刻み、前の選手をパスして30位に上がった。

ファイナル、沢田選手が最後まで攻め続け、順位を21位まで引き上げてフィニッシュ。平野選手は限定される身体の動きに耐えて28位フィニッシュ。ここまでの総合成績でも、21位、28位となった。



(沢田)


ーーー10月19日(土)13:00 XCO(クロスカントリー)31km = スタートループ 500m×2 + 6㎞×5LAP
沢田26位、平野28位、上位に向けて加速


3日目のXCO。破損したバイクを完全に修復し、最低でも総合ポジションキープできる走りを目標にした。

2周しなければならないスタートループはとても狭い幅のガレた道。しかも数10m先からはシングルトラック。ループから解放されてからの激坂は渋滞必須だ。グリッドは総合成績順で並ぶため、2選手ともスタートは集団後方となる。山岳での追い抜き可能なポイントで確実に前に上がり、ダウンヒルではミスのない走りが求められた。


(平野)


序盤、渋滞が解消されたレース集団はXCM同様にトップ7が先頭パックを形成してレースをリード。その後ろは小さなパックが複数存在。沢田選手は自分より実力上の選手に混じり22〜26番手のパックで展開した。平野選手は1周回で5名をパスし、28位まで上がってきた。

中盤、先頭は5名に絞られ、ラップを維持。その後方の各パックは一旦バラバラになりながらも再編成され、トップ15が後方集団を引き離していく格好に。順位の入れ替わりも激しくなっていく。ここでリタイアを選ぶ選手も出てきた。チーム2選手は序盤の位置をキープしたままレースを進める。

終盤、先頭集団はバラバラに。中間ラップは上がっている。沢田選手はダウンヒルでも積極的にプッシュするが、順位を上げることが中々できない。平野選手は単独走行になりながらも25番手前後の集団が見える位置まで上がってきた。

ファイナル、沢田選手は総合順位に影響するライダーとパック。逃げてタイム差を生もうと最後までプッシュするが、タイム差を引き出すことは叶わず、26位でフィニッシュ。平野選手は順位こそ変わらないが、前集団に詰め寄る走りを見せ、タイム差を縮小させて28位でのフルラップ。



ーーー10月20日(日)12:30 XCC 1.2㎞×30分+1周
最後まで攻め続け、沢田と平野ともにUCIポイント獲得

ステージ最終日。ここまで一滴の雨もない快晴のコス島。レースはコス島のメインポートの石畳とコンクリート路で行われた。

会場は紀元前からある歴史的な古港の中心地を使い、古城や歴史的な樹木などの貴重な遺産を縫うようにコースが敷かれた。カフェのテーブルとテーブルの間を通すなど、日本では到底あり得ないシチュエーション。レイアウトも抜きどころの少ないクリテリウムと言った方がいい。最大高低差は石畳の階段を上がり、下る程度。ほぼフラットの1周1.2㎞のアーバンコース。

大会3日目までの総合成績でステージング。2選手とも前日までに大きくジャンプアップできていないため隊列の後方がスタートグリッド。コースを考えると中切れを起こされたり、バイクトラブルを起こせば、まず復帰は困難。しかもフルパワーを使ってスピードに乗っても滑りやすいタイトコーナーが待っている。チームはトラブルなくフルラップで走ることを優先し、総合タイムで秒差にある選手だけをマーク。スタートでの落車はなく、街中の大歓声の中で1周2分程のサーキットバトルが始まった。

序盤は一列棒状。100m程の長い高速列車が観客の眼の前を通過するたびに大声援が起きる。2選手ともスタートポジションで展開。

中盤、先頭パック15名が抜け出し、セカンドパックと3秒差。そのセカンドパックを目の前で追うサードパックにチーム2選手がいる。平野選手を前に出してチームで協調しながら前の集団に追いつこうとプッシュする。しかし石畳の階段上りで平野選手のチェーンが暴れて絡みストップ。沢田選手が平野選手にかわって前に出て、サードパックを引き上げようとプッシュ。



終盤、沢田選手のいるサードパックの前方20秒先には16番手の選手が独走していた。恐らく残り5分がラストチャンス。しかしこのパックは互いに協調できず、徐々に崩壊。終盤でパックがバラバラになっていく。沢田選手は攻め続けるが、ラップタイムを少しずつ落としてしまう。バイクを修復してリスタートした平野選手は単独走行になってしまい、不利な状況だが、コーナーグリップをギリギリまで攻める走りで26番手通過。

ファイナルラップ、沢田選手が単独でプッシュ。総合順位で秒差の選手が目の前にいるため、攻め続けるしかない。一方、平野選手もスピードを殺さない。レースはフィニッシュラインを過ぎるまで何が起きるか分からないことを実践している。

ここでファンになってくれた大会スタッフたちの「JAPAN!」の大声援が飛ぶ。チームはホームであるかのような声援の中を疾走した。沢田選手24位、平野選手26位、トップと1分20秒程のタイム差でフルラップ。

結果、第1週のサラミナ島に続き、第2週のコス島での4日間もフル完走した。総合成績で沢田選手21位、平野選手27位。2選手とも満足とは言い切れないものの、ライバルのレベルを鑑みると、2大会連続で非常に意味のあるUCIポイントの獲得に成功したと言える。



これでチームは今シーズンの欧州遠征を全て終え、日本に帰国する。一旦、日本での休息をとり、シクロクロスやリカバリートレーニング期間を設けてシーズンラストレースに備える。

そう、最終レース後、BRITISHナショナルチームのコーチから1本のボトルをプレゼントされた。「See you again at the Tokyo Olympics.」チームスタッフも2020年に向けて休みなく戦っている。フィードではチームの壁はなくひとつのチームのように選手を押し出す。沢山のライバルチーム、欧州ナショナルチームとの友情が、更にモチベーションを上げていく。

この遠征も日本から変わらぬ応援、多大な支援をして頂いた全てのスポンサー、サプライヤー、ファン、家族に感謝します。そして、ギリシャの地でチームのために笑顔で協力してくれた多くのファンに感謝します。

TEAM BRIDGESTONE Cyclingは前に進みます。


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