【Jプロツアー栃木】今村・窪木が再びワンツー「ふたりの本能、阿吽の呼吸」

【Jプロツアー栃木】今村・窪木が再びワンツー「ふたりの本能、阿吽の呼吸」

(窪木、今村)


レース名:2019/6/8 第3回JBCF那須塩原クリテリウム
     2019/6/9 第3回JBCFやいた片岡ロードレース
開催日:2019/6/8、2019/6/9
開催地:那須塩原駅前特設コース(6/8)、矢板市石関周辺特設コース(6/9)
TEAM BRIDGESTONE Cycling参加選手:今村駿介、窪木一茂、黒枝士揮、近谷涼、徳田優、橋本英也、孫崎大樹

photo: Satoru KATO

2019年6月9日、栃木県矢板市での《Jプロツアー》第8戦にて、TEAM BRIDGESTONE Cycling今村駿介が勝利し、窪木一茂が2位となりました。ひと月前の宇都宮でのワンツー勝利と同じ順位、同じ構図でのチーム勝利となりました。



(窪木、今村)


2019年6月8日〜9日のJプロツアー、栃木ラウンド。土曜日に第7戦のクリテリウム、日曜日に第8戦のロードレースが行われる2連戦でした。

第7戦の《第3回JBCF那須塩原クリテリウム》でのチームブリヂストンは、散々といえるほどの走りでした。



(黒枝、窪木)


JR那須塩原駅前で行われたこのクリテリウムは、総距離が短くコースも単調。ゴールスプリントを狙うスプリンターたちが的確な位置取りのためにレース前方で展開していきました。



(孫崎、近谷)


TEAM BRIDGESTONE Cyclingも、スプリントを得意とするトラック競技でも活躍する選手を中心にチームを編成しましたが、実際には噛み合わなかったという印象。結果、最後に追い上げた窪木が7位でした。



(橋本、今村)


「終始後手を踏んでしまい、大失敗と呼べるほどの失敗でした。前に選手を送り込んでいく攻め方で、前へチームのエースを送り込むタイミング、運び方が悪く、有利な展開に持っていけませんでした」(六峰監督)

しかしこの大きなの失敗が、ブリヂストン選手をまた一つにまとめます。



(石橋)


翌日のロードレース、チームは積極的に前へ出て、レースを作っていきました。

「昨日のクリテリウムの失敗も生かして、昨日以上に気合いを入れて全員で攻めの姿勢で積極的に攻撃していくという作戦でした。出し惜しみしない。みんながそれぞれが必ず先頭に出て存在を見せつけ、終始先頭付近で展開していきました」(窪木)



(徳田)


先手を打ち、相手の攻撃を幅を狭めるのが今日のチームオーダー。誰かが飛び出したら対応するのではなく、チーム員それぞれが自ら攻め、ライバル選手たちの脚を使わせます。

全8周回のレース前半、孫崎大樹が逃げ4周目のポイント賞を獲得。その逃げが吸収されると今度は近谷涼が逃げ、6周目のポイント賞を獲りました。彼らが意図して速度を上げ、雨中のレースだったこともあり、集団の選手数は中盤で半数近くまでに減っていました。



(橋本、近谷)


ラスト2周、上りのタイミングで優勝候補の一人、オールイス・アウラール選手(マトリックスパワータグ)がアタック、これに反応できたのは脚に余裕のあるエース級の選手ばかり7名。ここにブリヂストンの2枚エース窪木と今村が乗っています。

あたかも先の宇都宮でのワンツー勝利と同じ様相となりました。



(窪木、今村)


「オールイス選手のアタックに全開でついていって、周りを見たら各チームのエース級、強い選手しかいませんでした。そのためにこれが確実な逃げになるよう、前で、前で動きました。

きっと窪木さんが付いてくれている、と信じて踏んでいましたが、やっぱり来てくれていました」(今村)

ラスト1周、ゴールまで10km。今村はゴールまで待たず積極的にアタックを繰り返しました。



「スプリントまでに、他の選手の脚を削ろうと思いました。最後は長い距離のスプリントを、前の優勝のときのようにしかけようと思っていました。結果負けても自分は7位だなと思って」(今村)

今村の揺さぶりは他の選手に抑えられ、今村、窪木と選手5名はゴールへと加速。最後400mに今村がイメージ通り、優勝に向かうロングスプリントを仕掛けます。



「最後、自分でも勝ちたかったですし、もし駄目でも窪木さんが勝ちきってくれると信じていたので、他の選手が苦手で、自分が得意な距離から仕掛けられました」(今村)。

残された距離感、上がる速度感、この状況での絶対王者とも言える窪木が、チーム最年少の今村が仕掛けた背中を見送ります。



(窪木、今村)


「今村選手とは今回同じ部屋で、コミュニケーションが取れていたことに加え、宇都宮ロードの時の経験もあるので、優位にゴールまで進められました。

ラスト1kmからの攻防は、呼吸さえも研ぎ澄まされ、その結果のワンツーフィニッシュ。最高でした。

最後の局面ではふたりの本能が、ワンツーを獲れる走り方を、阿吽の呼吸で反射的にした感じなのかな」(窪木)



(窪木)


チームは全員が最後まで攻め、後ろ集団での8位スプリントには近谷が入り10位に。

「年間総合ランキングに向けたポイントの加算も考えて臨んだ栃木、クリテでの失敗がありましたが、『倍返し』ではないですが、区間優勝と1、2、10位の得点とポイント賞を2つ獲れたので、そこは現実的な範囲で固められたかなと」(六峰監督)



(孫崎、橋本)


今村は今季これで2勝目、2位を窪木が獲ったこの形での勝利も2度めです。



(今村)

「クリテリウムでまだ一勝もあげられていないので、次は表彰台の一番上を獲るように走ります。

ロードレースでは成績も出せるようになってきて、エースと呼ばれる方々と一緒に走れるようになってきたので、さらに結果を出せるようがんばります。

直近は全日本ですが、調整して合わせます」(今村)


【リザルト】2019/6/9 第3回JBCFやいた片岡ロードレース 
1 今村駿介(TEAM BRIDGESTONE Cycling)1:58:30
2 窪木一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:00
3 オールイス・アルベルト(マトリックスパワータグ)+0:00
10 近谷涼(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:46
14 橋本英也(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+1:01
16 孫崎大樹(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+1:02
29 徳田優(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+1:06
DNF 石橋学(TEAM BRIDGESTONE Cycling)---
DNF 黒枝士揮(TEAM BRIDGESTONE Cycling)---


【リザルト】2019/6/8  第3回JBCF那須塩原クリテリウム
1 中井唯晶(シマノレーシング)1:19:59
2 鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)+0:00
3 オールイス・アルベルト(マトリックスパワータグ)+0:00
7 窪木一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:44
18 近谷涼(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:49
21 橋本英也(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:50
32 孫崎大樹(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+1:48
33 黒枝士揮(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+1:48
35 今村駿介(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+1:56

最新記事

Article

前の記事へ 次の記事へ