東京2020オリンピック本番まで1年。レースを走って、観て、感じたこと

TEAM BRIDGESTONE Cyclingは、東京2020オリンピックの開幕が1年後に迫った2019年7月21日(日)、自転車競技ロードレースのテストイベントとして位置付けられる「READY STEADY TOKYO 自転車競技(ロード)」(東京2020組織委員会主催)に参加しました。

本レースは2020年を見据えて参戦した9カ国のナショナルチームに加え、TEAM BRIDGESTONE Cyclingはじめとする日本国内のコンチネンタルチーム(11チーム)を合わせた全20チーム、95名により行われました。

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イタリア、フランス、ベルギーなど1年後の本番での金メダルを虎視眈々と狙う世界の強豪国が多く参戦したことで、非常にレベルの高いレースとなりました。完走者49名というサバイバルな展開の末、TEAM BRIDGESTONE Cyclingの石橋学が日本人2位の総合16位でフィニッシュしました。

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ゴール直後の石橋選手の声からは、世界トップレベルの選手たちの力を肌で感じつつも、今後に繋がるたしかな手応えが伝わってきます。さらに、ゴール地点である富士スピードウェイのイベント会場でレースを実況・解説していた飯島誠(シドニー2000、アテネ2004、北京2008 自転車競技トラック代表)には、このレースで感じたこと、そして1年後の展望について話を聞きました。

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「世界レベルの走りを肌で感じて、収穫のあるレースになりました」(石橋学)

レベルの高い選手たちが参加していたので、僕らにとって守りではなくチャレンジする走りになることはわかっていました。今後、ヨーロッパ遠征などレベルの高いレースを見据えたときに、展開の早いレースを経験しておくことは大切です。当初、中盤以降の激しいアップダウンで強豪国が動いた時が勝負になると思っていましたが、予想よりも早い段階で大本命のイタリアを含む強力な逃げができてしまいました。富士山麓に入ってからの勝負を想定していたので、その手前にある道志みちの緩やかな上りでの動きは正直なところ予想外でした。結局、チームとしては後手に回ってしまいましたが、逆に後半は失うものがなく、個人としてしっかりと最後まで走ってまとめられました。収穫のあるレースになったと思います。

初めてフルコース(一部区間を除く)で走りましたが、終盤の明神・三国峠はもちろんですが、道志みちの段階から非常にタフなコースだと実感しました。

今回のレースでは、沿道から多くの声援をいただきました。ロードレースに興味を持ってもらえるきっかけにもなったと思います。今後、海外を目指すためにも、今日のように注目されるレースで活躍することは大切です。また、将来的に自身の活動の幅を広げることにも繋がると思います。

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「ハイレベルなレース展開。オリンピックのプライオリティは高まっています」(飯島誠)

予想通りの厳しいコースでしたね。多摩地域までは動きはありませんでしたが、道志みち前半の両国橋あたりでイタリアチームが動き、それにベルギー、フランスなどを中心に20名前後の追走集団ができ、これが勝ち逃げになりましたね。集団も一気に縦長になり、力のない選手は切れていく展開になりました。道志みちは集団が縦に伸びやすいので、勝負という点では位置取りも鍵を握りましたね。

今日はまだ梅雨明け直前の天候でしたが、本番では梅雨も明けているでしょう。気温40℃近くまで上昇する酷暑の中で、今回のように前半から積極的に動くのか。各国の戦略も変わってくるかもしれません。

それでも、強い選手、強い国はどんな気候でも結果を残すでしょう。日本人選手たちは、世界のトップ選手たちとの差を感じて、より自分たちの立ち位置が明確になったと思うので、しっかりと足りない部分を見つめて今後に生かして欲しいですね。いっぽうで、自分たちの強みや新たな発見もあったかもしれません。実力の出るコースではありますが、どうすれば自分たちの特性を生かせるのか考えることが大切です。

年々、オリンピックのプライオリティは高まっています。それを物語るように今回のレースでは世界の強豪国が本番に近いメンバーを揃えて挑んできました。選手、スタッフたちは今回の情報を自国に持ち帰り、本番に向けて必ず生かしてくるでしょう。

また今日はとにかく沿道のお客さんが多かったですね。これまで自転車競技であるロードレースを知らなかった人も、無料で観戦できるなら観ていようかという人も多かったはずです。これもロードレースならではの魅力ですね。今回で運営面など本番に向けて一歩前進したと同時に、自転車ロードレースが身近な存在になった人も増えたのではないでしょうか。

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【リザルト】READY STEADY TOKYO 自転車競技(ロード)2019年7月21日

1 ディエゴ・ウリッシ(イタリア)4:50:53

2 ダビデ・フォルモロ(イタリア)+0:17

3 ナンス・ペテルス(フランス)+1:52

16 石橋学(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+10:06

--- 近谷涼(TEAM BRIDGESTONE Cycling)DNF

--- 平塚吉光(TEAM BRIDGESTONE Cycling)DNF

--- 孫崎大樹(TEAM BRIDGESTONE Cycling)DNF

--- 徳田優(TEAM BRIDGESTONE Cycling)DNF

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