【MTB・ギリシャステージレース】沢田が総合9位に、UCIポイント獲得

ギリシャ/MTB沢田総合9位/UCIポイント獲得

(沢田)


レース名:Lesvos-Molyvos URBAN MTB UCI-S1
開催地:ギリシャ・レスボス島
開催日:2019/6/4(火)〜6/7(金)
TEAM BRIDGESTONE Cycling参加選手:沢田時、平野星矢

日本・八幡浜でのレースを終え、再び渡欧したTEAM BRIDGESTONE Cycling。UCIポイントを獲るべくあらゆるチャンスに挑みます。
6月、ギリシャを皮切りに始まるUCIレース転戦、まずはレース数が多く大量ポイント獲得が期待できるステージレースにて、沢田9位、平野は18位となりました。
小林監督がレポートします。

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6月に入った。

チームは八幡浜を終えてすぐに渡欧した。ギリシャはレスボス島のMolyvosとPetraで行われるUCIステージ1、UCIクラス1XCOにチャレンジするためだ。実質1週間で5レースを走ることになる。

先ずはステージレース。結果、4日間の総合は、沢田選手が9位、平野選手は18位を獲得。チームはUCIポイント70点を獲得し、オリンピック代表レースの先頭パックを走り出した。



チームの目標は、日本とアジアの頂点に立ち、選手の希望を叶えること。

戦うべき真の相手は自分たちの中にあり、それを具現化できる遠征を実現できたのはスポンサー、サプライヤー、ファン、家族、そして現地の大会スタッフの支援によるもの。感謝を勇気にかえ、日曜のXCOに再びアタックする。



ステージはXCT、XCP、XCM、XCCのオーセンティックな組み合わせとなった。しかし、ワールドカップのポディウムライダー、ギリシャ・ポルトガルのナショナルチャンピオン、ヨーロッパ選手権のポディウムライダー、フランスU23チャンピオン、マラソン世界チャンピオンなど、エントリー数は少ないものの、かなりの強豪が揃った。強さとUCIポイントを追いかけるのにこれ以上のシチュエーションはなかっただろう。

古来の狭い石畳道、非常にガレた路面、トラクションの掛かり辛い砂利登坂、富士山の登山道のような動く鋭利な岩道。観客には最高のシチュエーションだが、選手にとっては相当の負荷が掛かる。こうしたレイアウトはじっくり滞在して攻略を練る時間があるほど速く走ることができるが、我々は1つのレースに多くの時間を費やさない。チームには6つの眼と3つの頭脳がある。全方位のセンサーをフル稼働し、チーム内は常に情報をアップデートし戦っている。



●6月4日(火)XCT16㎞
登坂基調の個人TT。スタート直後のダウンヒルからオンオフ交えた荒れた路面。パワーだけでなく、フィニッシュまでの走りを考える緻密さもないとタイムを稼げないコース。チームの2選手はTTが得意ではない。しかし、2日目からの中長距離系にマイナスにならない計算した走りが求められる。

1分毎の個人スタート。UCIポイント保有数の少ない選手からスタートしていく。2選手とも前後によきライバルが並び、平野選手の後ろにはトップ7の強豪が犇めき合う。先ずは身体とバイクを順調に走らせることが優先。トップタイムはこのコースを熟知するマラソン世界チャンピオンのギリシャ選手が40分を切ってきた。チームはトラブルなく走り切り、沢田選手15位、平野選手17位でフィニッシュ。

総合でシングルリザルトを残すには、トップとのタイム差を3分以内に抑えたいところだが、プロローグでは及ばず、沢田選手4分差、平野選手5分差となった。



●6月5日(水)XCP33㎞
海水浴で賑わうPetraの海岸線からパレードスタート。リアルスタートから一気に激坂で、荒れたグラベルへと向かう。山岳の深くで1ループし海岸に戻るレイアウト。高低差は1200m。路面は硬く荒れてアップダウンを繰り返すため休みどころは少ない。
2選手とも大集団の真ん中に位置してリアルスタート。

8.5㎞地点、早くもトップ5が先頭パックを形成してセカンドパックに1分以上の先行。大集団はあっという間にバラバラ。9番手までの選手は想定以上のハイペースを刻む。沢田選手は18番手、平野選手20番手。

24.5㎞地点、この日の覇者イタリア選手が大きく抜け出し、それをスイス・フランス・ギリシャの3選手が追う。その後続も2名・3名と前後の選手とパックになりながら進む。沢田選手はプッシュを繰り返し要所でアタックを決めながら12番手まで順位を上げてきた。平野選手は落ちてくる選手を拾いながら19番手。二人はこの順位のままフィニッシュ。
総合では沢田選手12位、平野選手18位。



●6月6日(木)XCM61㎞
前日に続きPetraの海岸線から望む山岳と初日のXCTコースを合わせた大きなループを2周回する。鋭利な岩がゴロゴロ転がる危険なダウンヒル、パワーを奪う石畳、フィニッシュまで直射日光を受け続ける日陰のないコース。マラソンの過酷さを助長するレイアウトだ。

短いパレード走行後、狭い石畳でリアルスタート。平野選手・沢田選手とも前で位置取りするが、やはりトップ5はパワフル。このレースも彼らが支配。

1周目、平野選手はかなり速い。先頭パックの後方8番手で帰ってきた。すぐ前にポディウムメンバーがいみえる絶好の位置。身体の動きもいい。他国のスタッフも「WAO!BRIDGESTONE!」と声援を送ってくれた。一方、沢田選手の走りは重く20番手前後のパックで通過。

2周目、沢田選手がようやく掛かり始めた。短い臨時列車を次々に乗り換えながらゼッケン1の前に出て8番手まで上がってきた。平野選手はエネルギー消耗が激しくペースダウン。しかも最もリスクのある場所でパンクし、荒れた岩場を数百メートル走ってフィードへ。ホイール交換してフィニッシュに向かった。2時間半に及ぶレース、沢田選手は8位、平野選手は14位でフィニッシュ。総合ではそれぞれ9位、17位と順位を上げた。



●6月7日(金)XCC2.4㎞×20min+2LAP

ステージで最も遅い18時のスタート。スタート直前に45分間から20分間+2LAPに変更された。このコースは抜きどころ・休みどころがほとんどない上に、短時間の決戦。スタートグリッドがレースを大きく左右する。沢田選手2列目、平野選手4列目。

チームは総合成績と存在感を求め、このレースは落車したりDNFにならないことを優先。
レースはスタートからアタック合戦となった。総合トップ5が1周目から全開。沢田選手は8番手、平野選手は17番手でレースが始まった。

沢田選手は超高速列車に乗っていたが先頭が速すぎる。徐々にパックから引き離され順位を下げてしまうが、最後までプッシュをやめなかった。

平野選手はほぼ最後尾スタート。単独にならないよう、前方の選手をポジティブに追いかけるものの、中々ジャンプアップが叶わない。

結局、沢田選手は13位、平野選手18位でフィニッシュ。

同時に4日間のステージは全て終了。総合成績で沢田選手が9位、平野選手が18位となった。



土曜は休息日。そして日曜はXCO。レスボス島での最後のレースに挑む。
TEAM BRIDGESTONE Cyclingへの応援がとても大きな力になっています。
引き続きの応援を宜しくお願いします。


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