【Jプロツアー第5戦】宇都宮ロードレース/今村・窪木がワンツー勝利を飾る

(中央:優勝・今村、左:2位・窪木)

レース名:《第3回 JBCF 宇都宮ロードレース》Jプロツアー第5戦
開催地:栃木県宇都宮市森林公園〜鶴カントリー倶楽部周辺特設コース
開催日:2019年5月11日
距離:93.8km=6.7km x 14周
TEAM BRIDGESTONE Cycling 参加選手: 石橋学、今村駿介、窪木一茂、黒枝士揮、近谷涼、徳田優、平塚吉光、孫崎大樹

photo: Satoru KATO / Team Camera

2019年5月11日、Jプロツアー第5戦目となる《第3回 宇都宮ロードレース》にて、TEAM BRIDGESTONE Cyclingの今村駿介が優勝、窪木一茂が2位となりました。2019チームにとっての初勝利をワンツーで飾り、また今村にもロードレース初勝利となりました。


(今村、窪木)

5月の夏日とは今日のこと、強い日差しに軽く汗ばむレース日和。コース1周は6.7km、10分で周回します。 斜度の厳しい上りと下りが選手たちの体力と集中力を削ぎ、細かなアップダウンが後方を振り切っていくスピードレースになると予想されます。


(窪木)

このレースには、これまで日本代表としてアジア選手権など海外ロードレースを走っていた窪木一茂が復帰しています。

4月初頭に世界トラックレースを戦っていたトラック班が合流したTEAM BRIDGESTONE Cycling。一ヶ月ほどのロードチーム・トレーニングに集中し、このレース直前に行った10日間の合宿トレーニングでチーム総合力はさらに高まっています。


(左から石橋、今村、徳田、平塚)

レースは、激しいアタックの掛け合いから始まりました。前半は先頭付近で窪木、孫崎大樹、石橋学、徳田優らがアタックの応酬に参加します。


(孫崎)

その後5周目に、選手2名の逃げが決まりますが、集団はそれを容認。石橋、徳田が中心となり集団をコントロール、チームに理想的な展開を作ります。


(徳田)

全14周回の9周目、集団は先頭2名を捉えます。一つとなった集団からは、終盤でのチャンスを狙うべく各選手がアタックを重ね、それに石橋、徳田らが着実に対応していきます。

「攻撃をつないでいく、という形で集団を揺さぶり続けました」(石橋)


(石橋)

その後窪木を含む3名の強豪選手が飛び出し20秒ほどまで差を開きますが、メイン集団はそれが勝ち逃げになるのを恐れ、許さずに吸収。

大集団のまま最終局面に向かうのか、と思われたラスト2周回後半に、5名の選手が抜け出しました。ここに今村駿介が入っています。

(今村)

結果、勝利への勝ち逃げとなった5名。今村の他は、増田成幸選手(宇都宮ブリッツェン)、小石祐馬選手(チーム右京)、トマ・ルバ選手(キナンサイクリングチーム)、入部正太朗選手(シマノレーシング)と、各チームのエース級選手ばかりです。

「それまで、増田選手に必死に食らいついていました。そうしていたら、自然とメンバーが5人になっていました。

正直、自分も必死だったのであまり良く覚えていないのですが、周りはエース級しかいないので、引きちぎられたら終わりだけれど、勝てるかもしれない、とも思いました」(今村)


(今村)

集団との差は20秒ほど、勝利を目指す先頭5名。途中いくつかの駆け引きはありましたが流れを決めるには至りません。

平坦地から最後の上りに入り、ゴールが近づくにつれ5名は最終局面へ向け牽制を始め、その結果ペースが落ちました。

するとそこに後方から一人、ぐんぐんと坂を登り、この5名に追いついてきた選手がいました。ブリヂストン窪木です。


(窪木)

「日本での久しぶりのレースだったんで、全体的に少し下がって様子を見ていました。最終周で仕掛けようと思っていて。最後の上りで行こうと思っていたんですが、コース前半で佐野さん(佐野淳哉選手・マトリックスパワータグ)がアタックして集団が活性化、そのまま平坦地で一人で抜けて、踏んで踏んで。なかなか追いつけなかったんですが、ゴール前1kmでやっと追いついて」(窪木)

その窪木が後方から追い上げてきたのを、先頭にいた今村は残り400mほどで確認。

「これで有利になったと思い、窪木さんには行けと。思い切って(ロングスプリントを)仕掛けました」(今村)

ジュニア時代にはトラック(ポイントレース)での世界チャンプにも輝いたことのある今村は、その最後のロングスプリントを走りきり、ロードレースで自身初の勝利を獲得しました。

その後ろから、他の4選手を全て抜き去った窪木が、今村を守り、祝福するかのように2位に入りました。

2019TEAM BRIDGESTONE Cyclingにも初の勝利となりました。

チームのエースライダーたちの体力と走力を、アシストライダーが守りきる王道の戦略で、ワンツーでの初勝利。形になってきたチーム力の厚みを示せた一戦となりました。


(石橋)

「強い身体能力でこの結果を残せた今村には、これからの経験でさらなる飛躍が期待できます。またチーム力の総合力で言えば、窪木が自由に動ける立場になったのが大きいですね。これは他チームにとって驚異となるはずですし、その結果的にワンツーを獲得できました。非常に収穫が多かったレースです」(六峰監督)

【リザルト】2019/5/11 《第3回 JBCF 宇都宮ロードレース》Jプロツアー第5戦

1 今村駿介 (TEAM BRIDGESTONE Cycling) 2:20:51
2 窪木一茂 (TEAM BRIDGESTONE Cycling) +0:00
3 入部正太朗 (シマノレーシング) +0:01
9 孫崎大樹 (TEAM BRIDGESTONE Cycling) +0:47
19 石橋学 (TEAM BRIDGESTONE Cycling) +2:12
20 近谷涼 (TEAM BRIDGESTONE Cycling) +3:38
-- 徳田優 (TEAM BRIDGESTONE Cycling) DNF
-- 平岡吉光 (TEAM BRIDGESTONE Cycling) DNF
-- 黒枝士揮 (TEAM BRIDGESTONE Cycling) DNF


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