ブックタイトルBRIDGESTONE ANCHOR 2017-AN1

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概要

BRIDGESTONE ANCHOR 2017-AN1

75日本が世界に誇れる、最高のクロモリフレームクロモリの性能を最大限に引き出す理論最速の自転車作りに使われる素材は時代により変わる。現在はカーボン素材が最高の素材とされている。しかし長く自転車に使われてきた鉄素材、クロモリの最高性能を引き出して作られたネオコットのフレームは、今もその輝きを失わない。ネオコット、NEO-COTとは"NEO Contour Optimization Theory”『新形状最適化理論』の頭文字から名付けられたクロモリフレームである。パイプの形状を最適化することで、クロモリとしての最高性能を引き出す形状の理論、という意味合いだ。これがクロモリ素材の弾性であるしなやかさを最大限に活かし、最小限の軽さと最大限の強度を持つネオコットフレームを生み出した。ネオコットは、フォークコラム以外は丸くない。特にヘッドチューブ周辺は複雑な形状だ。ネオコットが生まれた1980年代後半、自転車に使われる金属パイプは丸形状なのが常識だった。しかし常にブリヂストンサイクルの技術者たちは、自転車として使われるパイプの応力を解析し、丸パイプには部分的集中してストレスがかかるのがわかった。であれば、応力を集中させない最適形状にできれば軽く、ロスも減る。「自転車のパイプは丸である必要はない」。成形の自由なカーボンを使う今でこそ当たり前となった自転車作りの考え方であるが、これを1980年代にひらめいたのは、自転車への真実について一歩先んじていたからにほかならない。チューブ自体がラグとなり、軽くなる技術者たちは丸いクロモリパイプを原型に、この部位のパイプにはこれだけの力がかかるから、こういう形をしているべきだ、という理論を一つ一つ積み重ねていった。クロモリ素材をして作る軽さ、剛性、強度、この最高のバランスを計算してデザインした。そもそもパイプの変形そのものが、当時は難しかった。それを可能にした技術が2つある。まずパイプ内を超高圧のオイルで満たし外の型に押し付け、形状を変える『バルジ成形』。パイプの端をラッパのように広げ、それ自体がパイプ同士をつなぐラグ形状ともなる。軽量化にもつながる。そして『スピニングバテッド』。パイプの厚みを調整するバテッド作業を、内側ではなく外側から行ったことで、粘土をしごくかのように無段階に変化させられるというもの。これで最大肉厚0.9mm、最薄部0.4mmのクロモリパイプを実現。バテッド肉厚差0.5mmは、一本のパイプとしては世界に類を見ない。これまでとは全く異なるアプローチで、自転車フレームとしての工学的に理想の形を造り上げたネオコット。今も材料であるパイプの加工、溶接まで日本国内、上尾にて行われている名実ともにメイド・イン・ジャパンだ。クロモリフレームにおける黄金比とも自賛する、ネオコットの理を尽くした造形。素材を活かし、ロスをなくす設計思想は、今もアンカーが受け継いでいる設計思想であり魂だ。ネオコットは、日本が世界に誇れる、最高のクロモリフレームである。NEO-COTの流儀